俳句の推敲・添削 (冬麗戦2021「春隣」)

  

・鏡越しロット巻く手や春隣 

        (梅沢富美男)

    

掲句は先日のプレバトの「冬麗戦2021」の梅沢富美男永世名人の俳句(4位)ですが、「女性が鏡を見ながら自分の髪にロットを巻いている様子」を作者が見て作った俳句なら、悪くないと思います。

しかし、番組で紹介されたように、「美容室で隣の女性が手際よくロットを巻いてもらっている様子」を作者が鏡越しに見て詠んだ俳句だとすると、文法的に不適切です。「鏡越し」は「ロット巻く」を修飾していると解釈するのが自然ですから、その句意を表現していません。

  

(夏井先生の添削)  

・ロット巻く手や春近き日の鏡 

夏井先生の添削句も梅沢永世名人が詠もうとした句意を表現しきれていないと思います。

   

 (添削案A)

・春近きロット巻く手を鏡越し 

 

(添削案B)

・春近きロット巻く手の鏡かな 

   

(添削案C)

・ロット巻く手際の良さや春近し  

    

 (添削案D)

・ロット巻く手際よき手や春隣 

     

 (添削案E)

・ロット巻く手さばき軽し春隣 

    

添削案AとBは原句の意図に近い表現ですが、説明的・片言で詩的ではありません。

詩的な俳句にするには、「鏡越し」とか「鏡」は割愛せざるを得ないと思いますが、俳句は好き好きです。

貴方ならどう添削しますか?

  

(写真)MBS TV-4ch.画面の一部分。  

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