「蜩」《俳句文法:助詞「の」と「を」》

         

(2023.7.22 更新)

(ひぐらし)は「秋の季語」ですが、昨年は「大暑」に鳴き始め、今年も7月21日の朝から鳴き始めていました。

法師蝉」と「」は別の種類の蝉です。

    

蜩の未明の声に目覚めけり

微睡にかなかなの声我が癒し

           (薫風士)

   

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昼寝から目覚め法師蝉の声を聞きながら、「575筆まか勢」の「蜩の俳句」を読んでいると、次の鷹羽狩行の俳句が目にとまりました。

   

かなかなの声のはるかにはぐれ鹿 

  

作者は、蜩の声を聞きながら、遠くに見えた一匹の鹿をこの俳句に詠んだのだと思いますが、この句の「声の」を「声を」に変えて、「かなかなの声をはるかにはぐれ鹿」にすると、作者は鹿の傍で蜩の遠音を聞いていることになるでしょう。

あるいは、そのょうな心象風景を詠んだ俳句とも解釈できます。

  

「俳句では『の』を使うと詩的になって良い」と言われますが、闇雲に「の」を使うのではなく、自分の居る場所と俳句に詠む対象との位置関係などを考慮して、「と」「に」「の」「へ」「や」「を」など、助詞の使い分けをすることが大切でしょう。

  

助詞の使い方の一端を述べましたが、ここをクリック(タップ)して『父の日』の楽しい句作と鑑賞:助詞 《や・の・を・も・に・と・は》」をご覧下さい。

俳句における助詞の活用のご参考になれば幸いです。 

     

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