早春の頂き目指し有馬富士
春浅き走り根の径幼子と
吾を阻む「わんぱく砦」春浅し
(薫風士)
掲句の「径」は「みち」と読み、「吾」は「あ」と読んで下さい。
掲句は、有馬富士公園を吟行し、有馬富士の山頂を目指しましたが、幼子同伴なので、山頂まであと百メートルの「わんぱく砦」(岩場の写真参照)で登頂を断念して下山したことを俳句にしたものです。
「吾を阻む」は「あをはばむ」と「5-7-5」のリズムに読んで下さい。
歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに「早春」・「春浅し」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。
「早春1」
早春の庭より声の二三人
(稲畑汀子)
「早春2」
早春の湖に近江の逆さ冨士
(吉江潤二)
「早春3」
早春や波静かなる由比ヶ浜
(中村則夫)
「早春4」
早春の旅は呉線光る海
(石田玲子)
「早春5」
安曇野に聞く早春の水の音
(安部和子)
「春浅し1」
浅春の雨に色濃き煉瓦道
(木下節子)
「春浅し2」
つぐみ来て地鳴きひとこゑ春浅し
(井上あい)
「春浅し3」
客を待つ回転木馬春浅し
(中島隆)
「春浅し4」
春浅き水を渉るや鷺一つ
(河東碧梧桐)
「春浅し5」
浅春や五分足らずの渡し舟
(村田くにいち)
「春浅し6」
寒暖の差のはげしさや春浅し
(原田たづゑ)
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