高浜虚子の100句(100 HAIKUs of TAKAHAMA Kyoshi)(1~5)

  

(はじめに)

俳句の登録を目指す推進協議会が発足して「俳句のユネスコ登録をめざす」活動が推進されています。

その草の根運動の一助にでもなればとの思いから、「高浜虚子の100句を読む」(坊城俊樹著)の掲句を第1回から最終回まで随時HAIKU(英語俳句)に翻訳してブログに掲載する予定です。

俳句は17文字(5-7-5音)の短詩ですから、その解釈を読者に委ねるという特徴もあり、幾通りかに解釈することが可能です。論理的な言葉である英語でこの俳句の特徴をHAIKUに生かすことは至難です。日本語と英語には構文的な違いや対応する単語の意味・ニュアンスの違い、言葉の響きの違いなど、様々な違いがあり、原句のニュアンスをそのまま正確に英語で表すことは不可能です。しかし、なるべく原句の句意を表現し、且つ、俳句の必須要件「切れ」をHAIKUにおいても英語構文に適した「切れ」として表現することにチャレンジします。

何かご意見やお気づきのことがあればコメント頂けると幸甚です。

なお、「高浜虚子の100句を読む」は下記のURLでご覧になれます。

第1回:http://www.izbooks.co.jp/kyoshi01.html

最終回(第99回):http://www.izbooks.co.jp/kyoshi99.html

各俳句の冒頭の番号に上記のURLをそれぞれの回ごとにリンクさせて頂きますので、番号をクリックして是非ご一読下さい。高浜虚子が原句を作った背景などがよくわかります。

各俳句の後の年号をクリックすると虚子がその俳句を作った年の「世界の出来事」などウイキペディアの解説記事をご覧になれます。

(木下聰、Satoshi Kinoshita, 2017.9.11)

    

)春雨の衣桁に重し恋衣 (M27. 1894年

  (harusameno ikouniomoshi koigoromo)

    heavy on a dress-rack

  clothes of love_

    spring rain

(注)「恋衣」とは「恋を、常に身を離れない衣に見立てた語。恋という着物。」とのことです。(出典:広辞苑)

     

)怒濤岩を噛む我を神かと朧の夜 (M29. 1896年

      (dotou iwawokamu warewokamikato oboronoyo)

      as if thinking me a god,

      surging waves bite the rock I'm standing on_

      hazy moon night

      

)蓑虫の父よと鳴きて母もなし (M32. 1899年

     (minomushino chichiyotonakite hahamonsashi)

     a bagworm chirps

     papa papa,

     without mamma, either

   

)子規逝くや十七日の月明に (M35. 1902年

   (shikiyukuya juushichinichino getsumeini)

    Shiki passed away

    in the moonlight

    of the 17th day

   

)秋風や眼中のもの皆俳句 (M36. 1903年

      (akikazeya ganchuunomono minahaiku)

    autumn wind_

      anything you see

      could be a HAIKU

      

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