夏の甲子園大会(高校野球)が終わると台風シーズンになりますが、今年は花咲徳栄の初優勝で熱戦の幕を閉じました。
(青色文字をクリックすれば解説記事をご覧になれます。)
「天理vs広陵」や「花咲徳栄vs東海大菅生」の準決勝や広陵vs花咲徳栄の決勝戦など、テレビ中継を見ながらチュヌの主人(薫風士)が口ずさんだ即興句を掲載します。
・炎天下好打好守のユニフォーム
・炎天へ白球伸びて大アーチ
・熱戦や日焼け球児の歯の白き
「俳句は楽しむもの」「多くの人に俳句を気軽に作って楽しんでほしい」という思いでスナップ写真を撮るように駄句を気にせず口ずみ、臆面もなく掲載していますが、自己満足の月並み俳句ばかりでは申し訳ないので、歳時記(俳誌のSalon)から「台風」と「野分」の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。
(青色の季語をクリックして俳句の詳細をご覧下さい。)
(台風1)
・人生の台風圏に今入りし (高浜虚子)
・台風の進路またもや故郷に (谷口ふみ子)
(台風2)
・台風の真只中の句会かな (成嶋いはほ)
・台風の外れたる気配祭笛 (宮みさを)
(台風3)
・台風の雲千切れ飛ぶ伊吹山 (高野清風)
・台風禍畦にたたずむ老夫婦 (有島扇水)
(台風4)
・台風裡披講の声の響きけり (大串章)
・長寿村台風寸断して去りぬ (福田かよ子)
(台風5)
・台風の通過待ちする古都の駅 (森山のりこ)
・台風来少しわくわくしてゐたり (栗原公子)
(台風6)
・台風のそれて真つ赤の月昇る (大坪景章)
・一夜さを騒ぎ立たせて台風過ぐ (大橋晄)
(台風7)
・台風来悠然として鯉の髭 (岩岡中正)
・台風一過豪雨に耐へし渡月橋 (桂敦子)
(台風8)
・台風のさなか餃子に酢を効かす (岡部玄治)
・台風の予報進路にある旅路 (稲畑汀子)
(野分1)
・見所のあれや野分の後の菊 (芭蕉)
・乗り継ぎを待つ空港の野分晴 (大久保白村)
(野分2)
・野分後の流るる雲に見とれをり (浦川聡子)
・野分晴玻璃戸に乾く潮しぶき (水原春郎)
(野分3)
・親捨てずこころざし捨つ野分雲 (田中藤穂)
・案山子の手吹き飛んでゆく野分かな (ことり)
(野分4)
・満天に星座定まる野分あと (深田稚敏)
・野分晴ひとりの家のひとり言 (浜口高子)
(野分5)
・蜘蛛の糸一本遊ぶ野分晴 (河崎尚子)
・巨船なほ揺らす野分の名残波 (栗田武三)
(野分6)
・九十九里われより高き野分波 (菅谷たけし)
・野分来るたくあん噛んでゐてひとり (浜口高子)
(野分7)
・差す人の傘壊しゆく野分かな (大橋晄)
・息詰まる思ひ野分の橋渡る (宮平静子)
(野分8)
・野分去り町にスタバの緑の灯 (大日向幸江)
・ビラ一枚枝に引つ掛け野分去る (高橋将夫)
ちなみに、2004年に台風が多発して親戚の屋敷の倒れた栗の木などの整理を手伝ったときにチュヌの主人(木下さとし)が詠んだ次の俳句が芦屋ホトトギス俳句会(同年9月)で特選に入りました。
・野分去り俄か樵となりにけり