6月21日は「夏至」です。「夏至」といえば、「明易」や「短夜」の俳句、殊に高浜虚子(高濱虚子)の風変わりな俳句「明易や花鳥諷詠南無阿弥陀」のことを思い出します。この俳句の解釈には「花鳥諷詠のこころ」(安原晃氏の談話)や「高濱虚子の100句を読む」(坊城俊樹氏)、「増殖する俳句歳時記」(清水哲男氏)などの解説が参考になります。
(青色文字をクリックして俳句の詳細や解説記事などをご覧下さい。)
季語「短夜・明易し・明急ぐ・明早し」について、山本健吉が次のように解説しています(カラー図説日本大歳時記から抜粋)。
「春分の日から夜は昼よりも短くなり、夏至に至ってもっとも短くなる。俳句では日永は春、短夜は夏、夜長は秋、短日は冬と定めているが、これはその感じを主にして言うのである。短夜の語は万葉以来である。(以下省略)」
「定本現代俳句」(山本健吉著)には、これらの季語を用いた俳句の句評は見当たりません。まず前座としてチュヌの主人(薫風士)の即興句を掲載します。
・愛犬の促す散歩明易し
・明易や犬の確かな腹時計
・明易のカーテン過る蝶の影
・明易や時の流れは止められず
・明易の徹夜国会生みし法
・短夜のニュースに響くデモの声
・何事も運用次第明易し
・明易や人の噂も何とやら
・明易や昭和は遠くなりにけり
・短夜や睡眠負債なき吾が身
・明易のパソコン疲れうたた寝す
・短夜の風呂のうたたね夢数多
・恙なき白寿を夢に明易し
・明易やパンダの赤子すくすくと
インターネット歳時記の「明易」から目についた俳句を気の向くままに次の通り掲載させて頂きます。
明易1
すぐ来いといふ子規の夢明易き (高浜虚子)
宿坊に井戸使ふ音明易し (代田青鳥)
サッカーの深夜観戦明易き (高谷栄一)
短夜や空とわかるゝ海の色 (几董)
刷り上げしインキの匂ひ明早し (梅田泰正)
上記チュヌの主人の俳句「明易のパソコン疲れうたた寝す」を作ったときは文字通り「日が長い」という実感で、原句は「うたた寝の熟睡二度も日永かな」でした。しかし、「日永」は春の季語なので掲出句に変更したものです。
ところで、上記俳句の「徹夜国会生みし法」とは何か、興味があればここをクリックしてNHK-WEBNEWS(「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法)をご覧下さい。
パンダの赤ちゃん誕生については下記(産経ニュース)をご覧下さい。
上野動物園(東京都台東区)は16日、ジャイアントパンダの雌シンシン(11歳)が産んだ赤ちゃんについて、乳首に吸い付く1回当たりの時間が長くなっており「しっかりと母乳を飲めているようだ」と明らかにした。
俳句をユネスコ世界無形文化遺産に登録する運動が国際俳句交流協会などの俳句愛好者によって進められています。チュヌの主人は草の根運動の一助になればとの思いで、俳句やエッセイなどのブログを書いています。ご意見やコメントなど、投稿して頂けると有難いです。
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