俳句鑑賞《梅・梅の花・紅梅・白梅》

   

(P.S.) 2022.3.18

日本では平和のお陰で、コロナ禍なりに雛祭り探梅梅見を楽しんでいますが、ウクライナの人々はロシアの侵攻による戦時下に苦しんでいます。

プーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、この P.S.を追加しました。   

青色文字をクリック(タップ)して、梅東風や届け世界にこの思ひや「血に染むなドニエプルてふ春の川」をご覧下さい。

              

(2017.2.10)

梅咲くや古木の洞に二つ三つ

木の洞に活け花の如梅の花 

   

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インターネット歳時記には「梅」の俳句が約1800句、「紅梅」約800句、「白梅」約500句、「梅ヶ香(梅匂ふ)」約500句、「探梅」約350句、「梅咲く」約260句、「枝垂れ梅」121句、「老梅」59句、「梅の花」250句など、梅を詠んだ俳句が無数にあり興味が尽きません。

  

季語「白梅」の冒頭には、阪神・淡路大震災を詠んだ俳句「白梅や天没地没虚空没永田耕衣)」があります。

歳時記には味わい深い俳句や個性的な俳句など沢山ありますが、与謝蕪村の俳句「しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり」の新解釈(「チュヌの便り」)もここをクリックしてご覧下さい

歳時記からたまたま目についた俳句をランダムに抜粋させて頂きます。

(青色文字をクリックすると俳句や作者の解説など詳細がご覧になれます。)

    

老梅

老梅の穢き迄に花多し  

        (高浜虚子

  

老梅の白の気品の衰へず 

        (石谷淳子)   

  

梅1

風に日に梅に忌心整ひし 

       (稲畑廣太郎)

  

色褪せて一瞥さるる梅やある 

        (大橋敦子) 

 

梅2

雪しづれして丸窓の古都の梅 

        (大西正栄)

  

廃校の母校の跡の梅に佇つ 

        (松田欽吾)

   

梅3

梅よりも空の蒼さを讃へをる 

        (落合絹代)

  

子と犬と抱き上げ夫婦梅をかぐ 

        (勝野薫)

  

梅4

梅は散り君は彼岸のみほとけに 

         (

  

春競ふ源平梅や二条城 

        (田中呑舟) 

   

梅5

学問の神の庭園梅固し 

        (中村星児)

   

梅の下にけふ落日を見るゆとり 

        (瀧春一 

 

梅6

人寄りて梅の素顔を見つめをり 

       (黒澤登美枝)

   

梅活けし小部屋の襖開きおく 

        (水谷ひさ江)

   

梅7

二もとの梅に遅速を愛す哉  

         (与謝蕪村)

  

梅固し憂ひは常に極秘なり 

         (荻野千枝) 

  

梅8

折り取りし梅添へ仕上ぐ節料理 

         (ことり)

  

老人の話筒抜け梅三分 

        (中島あきら) 

  

梅9

火照る(こつ)拾ひて梅の風に出づ 

         (藤井美晴)

   

妻佇ちし梅ほつほつと開きゆく 

          (大橋晄) 

  

梅10

軒端なる梅のひなたの石手水 

         (豊田都峰

   

知らぬ間の隣人の訃や梅二輪 

         (布川孝子) 

  

梅11

梅が枝の折れんばかりや雪止まず 

        (小川玉泉)

  

梅早し遅しと虚子の誕生日 

        (稲畑汀子) 

 

梅12

毎年の梅の開花を愛でゐしに 

         (大橋晄)

  

盆梅や盆梅課ある城下町 

        (小澤菜美) 

 

梅13道ひとつ違へ野梅につきあたる 

       (石田阿畏子)

  

家ごとに小さき橋掛け梅の里 

       (松本三千夫) 

 

梅14

廃業の老舗の名残垂れ梅 

        (宮本俊子)

  

盆梅の気品遺して逝かれけり 

       (稲畑廣太郎)

  

梅の花

正直は亡母の諭し梅の花 

        (小林鱒一)

  

一輪車上手にくぐる梅の花 

       (小菅美代子)

      

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