俳句談義18:政治家と俳句              <俳句を通して世界の平和を!>

            

(P.S. 2022.7.16)

2022年7月8日、安倍晋三元総理大臣が暗殺されました

言葉の力《俳句は癒し》や「俳句《涼し》死の話をご覧下さい。

      

  

(P.S. 2015.6.16)

国際俳句交流協会の総会・懇親会が6月1日に駐日EU代表部で開催され、ヘルマン・ファン・ロンパイ前EU大統領の講演「俳句を通して世界の平和を」を拝聴した。

講演の基本的内容はHIAのホームページ「ヘルマン・ヴァンロンプイEU大統領基調講演」「国際俳句交流協会創立25周年記念シンポジウム開催に寄せて」とほぼ同じだった。

     

ファン・ロンパイさんは政治家であるが、俳句を通じて日欧親善・文化交流を推進しておられる。そのせいか、6月2日に岸田文雄外務大臣から「日EU俳句交流大使」を委嘱された。

外務省のホームページを見ると、次の記述がある。  

岸田外務大臣からは『日欧の 親交ひろむ 薫風や』、

ファン=ロンパイ議長からは『詩人らは 生と自然を- 和の願い』及び『山々の 森明暗に 俳句満つ』の二句を詠みました。」

      

ファン・ロンパイさんの人柄を知る参考までに、同氏の句集から次の3句を掲載させて頂く。

神、善と愛 授受こそが 畢生(ひっせい)の生き甲斐

(God, goodness and love, both received and given  give meaning to life.)

肌の色言葉神々違えど我に我の道

(Different colours, tongues, towers and gods. I search my way.)

・ノーベル氏の 宿願果たし 平和の世

 (After war came peace. Fulfilling the oldest wish: Nobel’s dream comes true.)

最後の句には「ノーベル平和賞受賞式を記念して」と注記がある。

同氏のfacebookホームページ(英文)に興味があればここをクリックしてご覧下さい。

             

オバマ大統領安倍首相歓迎晩餐会において次の俳句を披露している俳句談義15参照)

春緑 日米友好 和やかに

 Spring, green and friendship/United States and Japan/Nagoyaka ni.」

    

オバマさんもノーベル平和賞を受賞したのだから、それに相応しい平和外交を推進して、「ノーベルの宿願果たし平和かな」と俳句を詠めるようにしてほしいものである。

    

安倍総理の次の俳句が最近話題になった。

 「賃上げの花が舞い散る春の風

この俳句は「誰かがアベノミクスを揶揄して作った川柳か?」と思ったが、そうではない。

真実を探すブログの記事を読むと、安倍さんがこの自作の俳句を披露している動画があった。「景気回復7分咲き」と言っているが、「賃上げの花」は満開にも程遠い状態でもう散っているとすれば悲しい。

「俳句談義」で何度も言っているように、俳句の解釈は創作である。安倍さんの意図した句意と異なる解釈になっていてもヘイトスピーチではないので誤解しないでほしい。

安倍さんの国会審議における応答を見ていると、ヘイトスピーチをするブログなどが増えるのも仕方がないように思う。しかし、ヘイトスピーチで憂さ晴らしをして物事が解決するわけではない。国会議員や有識者に任せるばかりでなく、我々一人一人が冷静に考え、議論し、発言することが大切である。

安倍さんの国会審議における辻元清美議員の質問に対する応答ぶり(ここをクリックしてご覧下さい)は相手をバカにしている。「国会を軽視し、国民をバカにしている」と思われても仕方のない答弁の仕方である。

安倍さんがこのような答弁をして、「真面目に答弁し」、「丁寧に説明している」と思っているなら、そのセンスを疑わざるを得ない。「痛切な反省」をしてほしい。さもなければ、安倍談話でいくら立派なことを言われても信用できない。温厚なチュヌの主人も怒りを抑えるのに苦労しています。

           

俳句談義16:『こどもの日』と『母の日』に思うこと」において、有馬朗人氏の俳句「母の日が母の日傘のなかにある」の「日傘」とは「『日米安保条約による核の傘』の比喩ではないか?」と我田引水の解釈をした。

戦後70年間維持してきた平和が、安倍総理が主導する「平和安全法制」によって破綻し、日本が招かざる戦争に巻き込まれることになってはならない。

安倍さんの俳句のように、解釈が如何様にでもできる法律にしてはならない。その思いが強く、ここで俳句談義から政治談議に変えざるをえない。

平和安全法制」を制定するとすれば、「平和憲法に基づいて、平和を維持し、国民の安全を守るための法律であること」を明確にする必要がある。「最低限度」といっても何が最低限度か明確な定義が無い限り様々な解釈ができ、歯止めが無くなる。

存立危機事態」の想定される事態をリストアップし、そのリストの妥当性を国会で十分審議して、国民の声が反映されるようにしてほしい。

自衛隊の責任者が派遣された現場で「平和憲法に基づく自衛権の行使になるか否か」を判断することは不可能である。安倍さんは綺麗ごとばかり言って、戦争の悲劇の責任は「自己責任だ」と現場の兵士の責任に押し付けるつもりだろうか?

平時にこそ「存立危機事態」や3要件の具体的な事例を想定し、その判断マニュアルを明確に規定し、十分国会で審議する必要がある。

どんな事態にも「切れ目なく対応できるように」と称して、歯止めのないオープンリストにしてはならない。総理大臣として、本当に国民の安全を願っているのなら、「存立危機事態」の抽象的定義のみならず、具体的な事例を限定的なクローズドリストで定義を明確にし、国民の信を改めて確認すべきだろう。

憲法の根幹を揺るがす決定を閣議決定で実施してはならない。      

「いじめ」の問題を理由にして、「道徳の教科化をしたり、「国家機密の漏洩防止のため」と称して「特定秘密保護法」を制定したりする一連の法改正の動きを見ると不安になる。

国民が自由にものを言えなかった戦前の時代に逆行させてはならない。

    

政治家の俳句に興味が湧き、インターネットを検索していると、

「佐高信の政経外科」中曽根康弘の「海軍魂」に「竹槍」一本で立ち向かった美輪明宏の「肝っ玉」というサイトがあった。興味のある方はここをクリックしてご覧下さい。

      

このブログを書いている時に、NHK大河ドラマ花燃ゆ」の吉田松陰を演じた伊勢谷友介さんが「現代の松下村塾」を始めたことを放送していた。

選挙権を18歳以上に拡大することが検討されている時に若い人たちがこのような活動を始めたことは頼もしい。

若者はその日その日の仕事や生活に追われて余裕がないだろうが、是非とも政治に関心を持ち平和な日本を維持する努力を惜しまないでほしい。

さもなければ、かって若者が太平洋戦争の犠牲になったように、いずれ現代の若者も無用なテロ犠牲戦争の犠牲に巻き込まれることになるだろう。

かって政権を葬った安倍さんの頑張りぶりを応援をしていたチュヌの主人も、現在の安倍さんの暴走ぶりに我慢できなくなって、微力ながらこのブログを懸命に書き、マスコミに働きかけ、政治に反映させようと思って老骨に鞭を打っています。

  

民主党など野党の皆さんも、安倍さんの挑発的態度に乗せられて国会審議を放棄することのないようにしてほしい。民主党は千載一遇の政権を獲得しながら自滅したことを反省し、次期選挙で国民の信任を得て政権を獲得できるように臥薪嘗胆してほしい。国会審議をボイコットするのではなく、もっと知恵を働かして国民のためになる議論をしてほしいものです。

         

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