故郷の浸る思い出稲穂風
丹波路や思い出多き稲穂風
(薫風士)
堪へがたし稲穂しづまるゆふぐれは
(山口誓子)
「ゆふぐれは」は「耐へがたし」を視覚的に強調し、省略した「耐へがたい」対象を考えさせる為に「夕暮れは」と漢字を使用しなかったのではないでしょうか?
省略された言葉は「稲穂の匂い」ではなく、有機肥料などの「田畑の匂い」でしょう。
この俳句の句意は稲田に囲まれた田園生活の体験の無い方には理解できないでしょう。
歳時記(俳誌のサロン)から「稲穂風」の例句を2句抜粋掲載させて頂きます。
山ひとつ越えれば湖国稲穂風
(仲井多美江)
遅速なく刻む水車や稲穂風
(黒滝志麻子)
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