日本では平和のお陰で、コロナ禍なりに雛祭りや探梅・梅見を楽しんでいますが、ウクライナの人々はロシアの侵攻による戦時下に苦しんでいます。
プーチン大統領や世界の指導者が賢明な決断をしてくれることを切望して、「已むに已まれぬ思い」を俳句に詠んだ記事を読んで頂きたく、この P.S.を追加しました。
青色文字をクリック(タップ)して、「血に染むなドニエプルてふ春の川」をご覧下さい。
雛壇は桐の御紋の桐箪笥
雛数多ピラミッド形雛段に
3月3日は「雛祭り」で、日本ペンクラブの提案で「平和の日」とされていますが、高浜虚子の次女、星野立子(明治36年~昭和59年)の忌日(立子忌・雛の忌)でもあります。当時、立子は女性俳人として、中村汀女、橋本多佳子、三橋鷹女とともに「四T」と称されました。
「歳時記」の「雛祭り」「雛人形」「雛あられ」などの句はここをクリックするとご覧になれます。
ここをクリック(タップ)すると、現代俳句協会データベースの「雛」の句がご覧になれます。
WEBサイト(和歌と俳句)から立子の雛の俳句を抜粋・掲載させて頂きます。
立子の俳句としては「しんしんと寒さがたのし歩みゆく」が山本健吉の「定本 現代俳句」にも句評があり印象に残っています。
雛より小さき嫁を貰ひけり
(高浜虚子)
「雛より小さき嫁」とはどういうことか、「許嫁」のことかも知れないと思って、その背景を知るために虚子一族の「雛」の句をインターネットで検索すると、残念ながら、そのような手掛かりは無く、目黒雅叙園の「百段雛まつり」日本最大級の雛人形が展示されている、という記事がありまた。
目的はかないませんでしたが、折角調べたので参考までに下記に記載します。(敬称略)
雛あられ染める染粉は町で買ひ
美しきぬるき炬燵や雛の間
山里の雛の花は猫柳
天井にとどけ雛の高御座
お茶うけの雛のあられに貝杓子
カレンダーめくりあらはる雛の日
老いて尚雛の夫婦と申すべく
叱られて泣きに這入るや雛の間
春雷や女ばかりの雛の宿
高浜年尾(虚子の長男・「ホトトギス」3代目主宰)の句
燭台の倒れ易さよ雛かざる
燭台の灯なれや雛浮び見ゆ
老いゆくは淋しきものよ雛祭
雛の灯を今宵の客に灯しけり
雛の間の更けて淋しき畳かな
飾られて仮住も亦雛の宿
(歳時記「雛納」)
今日のためなほ納めずに置く雛
雛の客あり雛をさめ又先に
雛の忌と思ひ遥かへ心置く
雛飾る娘の手伝ひもあてにして
飾るより留守をあづける雛となる
雛納めゐたるロビーを通りけり
一筋の髪も乱さず雛納
稲畑廣太郎(虚子の曽孫・「ホトトギス」主宰)の句
(歳時記・雛納1)
雛納せざるをちらと見て出社
雛納して洋室となりにけり
(歳時記・雛納2)
雛納してより吾娘の嫁ぎゆく
雛納して来年を近付ける
悌を重ね合せて雛納
雛納君との過去も納めけり
雛の目光りて納められにけり
たつた今過去捨て雛を納めけり
坊城中子(年男の長女・「花鳥」名誉主宰)の句
坊城俊樹(虚子の曽孫・「花鳥」主宰)の句
(句集「零」)
ひひなの忌雛より小さき人のゐし
飾らるる雛の顔と生れ出づ
正岡子規はどのような「雛」の句を作っているか、インターネットを検索すると、「春星」のHPに「子規の俳句」があり、「子規の俳論俳話」というサイトに次の俳句がありました。
子規の「雛」の句はこれ以外には見当たりませんでした。そこで一句
雛の日や子規の残心偲びけり
(薫風士)
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