《花は桜》(俳句と写真集)

  

まんぽ俳句近詠》

城跡の空の青さや花万朶

「万朶」は「ばんだ」と読み、「多くの花の枝」とか「多くの枝の花」の意味です。

  

我が町や「さくら橋」より花並木

花咲きて鴉見守るさくら橋

初桜善意が守る丘の径

武庫川や鵜の啄みし花筏

我が狭庭隣の桜借景に

         (薫風士)

  

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ここの青色文字をクリックすると、「皇居の桜」や「京都の桜」、「姫路城の桜」の写真集(Google)をご覧になれます。

    

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(写真)

「カラー図説 日本大歳時記」の解説(一部分)

   

初桜・彼岸桜・枝垂桜・桜・花・山桜などの例句をご覧になれます。   

(写真をタップ・拡大してご覧下さい。)

            

「歳時記」(俳誌のサロン)には、「桜」は50頁にわたり約7,000句、「花」は41頁にわたり約3,500句掲載され、桜に関する主な季語(「初桜」「山桜」「糸桜」「枝垂桜しだれ桜)」「余花」「残花」「花筏」など)を使った俳句など、掲載句数は数え切れません。

   

「花」や「桜」の例句を、気の向くままに各頁から1句ずつ下記の通り抜粋掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色の文字(季語)をクリックしてご覧下さい。

  

散る桜残る桜も散る桜

         良寛

     

咲満ちてこぼるゝ花もなかりけり

         (高浜虚子

            

花1

人ひと魚の如く月下の花に漂へり 

        (高浜虚子

 

花2

花の幹大河流るる音したり 

       (三村純也)

 

花3

人と犬引張りあへる花の昼 

     (佐久間純子)

  

花4

昇り来し満月花にとどまれる 

     (三村純也・円虹)

   

花5

花かげに句友を偲び琴の会    

     (河野友子・六花)

   

花6

借景も花や藩主の花の邸    

    (密門令子・雨月)

   

花7

花散るや角の減りたる石の階  

    (江頭信子・馬酔木)

    

花8

日曜の度に落合ひ花行脚    

 (大久保白村・ホトトギス)

   

花9

蛇ケ谷の花の奈落に句碑一基  

    (笠間圭子・京鹿子)

   

花10

舟朽ちし海津の浜に花あらし  

  (角谷美恵子・ぐろっけ)

   

花11

花明り並べ見せらる胃の写真  

 (波田美智子・をりをりに)

   

花12

白酒や兼六園の花固く     

     (長沼紫紅・朝)

   

花13

咲き満ちて花重くなる日暮かな 

    (下平しづ子・雨月)

   

花14

すぐそこの花に充ち足り夕仕度 

     (十文字慶子・朝)

  

花15

どこからも日当たる花の隅田川  

       (外川玲子)

  

花16

花ぐもり電車で乙女紅をさす

        (森理和)

  

花17

散る花に追討ちかけて雨滂沱

       (友田直文)

  

花18

本復の人に五月の花溢れ

       (稲畑汀子)

  

花19

留守宅は震度五に遭ふ花の雨

       (三輪慶子)

  

花20

父祖の地へ花の峠を越えにけり

       (苑実耶)

   

花21

今年又長寿一族花の宴

       (鈴木照子)

 

花22

立ち代り花をそびらに「はい、チーズ」

       (守屋井蛙)

  

花23

花燗漫傘寿の誕日祝げるかに

       (大橋淳一)

   

花24

花曇り老犬止まり大欠伸

       (大滝香釈)

  

花25

醍醐寺の花もしまひの雨廂

       (河崎尚子)

   

花26

花びらを留めぴかぴかランドセル

       (木野裕美)

  

花27

ニューヨークヘ赴任の友と花巡り

       (廣見知子)

  

花28

金比羅の磴に散りしく花の塵

       (山口耕堂)

  

花29

老木に女ばかりの花の宴

       (小林碧郎)

  

花30

この陽気一気に花をいざなへり

       (稲畑汀子)

     

花31

蘇生して今生の花に逢ひ得たり

       (大橋敦子)

  

「花32」

花ふぶく吾に天寿をいましばし

       (中尾杏子)

  

花33

国言葉すらと飛びだす花の宴

       (吉弘恭子)

  

花34

待たすより待つ間樂しや花の下

       (藤見佳楠子)

  

花35

喘ぎ来て彦根の城の花いまだ

       (菅野日出子)

  

花36

妻と子の逝きし病院花の中

       (鈴木とおる)

  

花37

もう米寿いやまだ鳩寿花万朶

       (井田実代子)

  

花38

教へ子も八十路に入ると花便り

       (平賀扶人)

  

「花39」

そらみみの花の便りや江戸切子

       (熊谷ふみを)

  

花40

  急ぐのは郵便夫のみ花の坂

       (村上すみ子)

   

花41

弘前を素通り出来ぬ花の旅

       (大久保白村)

   

  

桜1

一本の桜のために廻り道    

       (山田弘子

  

桜2」 

雪を花とし相老の桜の木     

     (鷹羽狩行・狩)

   

桜3

濡れている仔馬の瞳遠桜    

    (富沢秀雄・船団

 

桜4

今はただ戦没ざくらに憶ひ継ぐ  

     (宇都宮滴水・京鹿子

 

桜5

生きてゐる事をよろこび櫻時 

       (袴田信子・戸峰)

 

桜6

被爆地の桜の下に画架を据ゑ 

       (藤中正治・狩)

  

桜7

湖の水の豊かに桜散る    

      (池田草曷・雨月)

  

桜8

どこからも富士見ゆる村桜咲く 

      (岡久枝・酸漿)

  

桜9

桜散り花の小路となりにけり  

     (富田志げ子・酸漿)

  

桜10

桜舞ふ駅の広場に鼓笛隊    

    (小石英子・サイサリス)

  

桜11

老夫婦手をとり合うて夕桜   

      (水田清子・朝)

 

桜12

雲寄するやち一面に雛桜   

    (菊地恵子・サイサリス)

  

桜13

灯の一つともる夜道や八重桜 

       (青山丈・朝)

  

桜14

観桜の後は至福の男酒    

      (松田和子・

  

桜15

教へ子は女ざかりや初桜   

      (長田曄子・火星

  

桜16

みよし野の桜に心つながりし 

    (稲畑汀子ホトトギス

   

桜17

向学心なほある白寿さくら咲き 

      (前川ユキ子・璦)

   

桜18」 

降り立てばさくら夙川のどかなり

     (蓮尾みどり)

 

桜19

直会を終へてまた観る桜かな

      (小原登志春)

「直会」は「なおらい」と読み、「神前に供えたお神酒などを祭りの終了後に神職や参列者で戴くこと」を意味します。

   

桜20

山肌に桜こんもり嵐山

     (石川かおり)

   

桜21

兄逝けり万朶のさくら間に合はず

      (松本三千夫)

   

桜22

海峡に雨降り初むる桜狩

       (涼野海音)

  

桜23

姉の遺児母となりけり八重桜

       (青木朋子)

   

桜24

ケーブルカー桜吹雪の中帰る

       (杉浦典子)

  

桜25

降れるもの湧くもの桜吹雪かな

       (能村研三)

   

桜26

満開の桜の下に健診車

         (有村明子)

  

桜27

帰路に又しかと見納む滝桜

       (柳川紀子)

  

桜28

誘はれて遅桜見る旅日和

       (守屋井蛙)

   

桜29

幻覚に踏みいりにけり夜の櫻

       (長崎桂子)

   

桜30

故郷のわが句碑に添へ初桜

       (村越化石)

   

桜31

鳥獣は眠り桜は星のもの

       (山田弘子)

  

桜32

踊り子の宿や河津の早桜

       (木暮剛平)

   

桜33

碧落に揺るぎなきかな大桜

       (青垣和子)

「碧落」(へきらく)とは「青空」「大空」のことです。

    

桜34

散るさくら堰に織り成す縞模様

       (大井邦子)

   

桜35

宮さくら道折れてより寺さくら

       (有吉桜雲)

   

桜36

夕桜入り江見下ろす露天風呂

       (齋藤朋子)

  

桜37

ブーメラン投げ合ふ親子夕桜

       (坂上香奈)

   

桜38

千年の塔に桜の枝垂れたり

       (大橋晄)

   

桜39

さくら咲き箱根八里の一里ゆく

       (堀内一郎)

  

桜40

うたた寝に煌めく湖とさくらかな

       (杉原ツタ子)

  

桜41

さくら散る海を眼下に蕪村の碑

       (笹村政子)

   

桜42

八重桜四天王寺の苑深く

       (大橋晄)

  

桜43

堂堂と遅れ咲きたり八重桜

       (加山ひさ子)

  

桜44

芦屋川渡るよろこび散るさくら

       (後藤比奈夫)

  

桜45

老木の幹に吹きたる桜かな

       (住田千代子)

   

桜46

決意とはなべてひそやか冬桜

       (片山煕子)

  

桜47

青天に桜真っ赤な新車来る

       (治部少輔)

  

桜48

尼寺の築地塀より八重桜

       (下田奉枝)

  

桜49

桜の森抜ける一日若返る

       (火箱ひろ)

  

桜50

 癒えし身に山河ありけり初桜

       (小原芙美子)

     

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