(講演会のチラシはココ(FTC16-10-2)をクリックしてご覧下さい)
I 俳句とは
「俳句は滑稽なり。俳句は挨拶なり。俳句は即興なり」(山本健吉:ウイキペディアの解説「俳句」から抜粋)
・世界一短い詩形(5+7+5=17音)で、入りやすく奥が深い。
・見たこと、感じたこと、思い出などを俳句にしましよう。
・俳句は好き好きです。一人で、家族で、友達と、仲間と、気軽に楽しみましょう。
(青色の文字をクリックすると解説や記事の詳細がご覧になれます。)
II 俳句を作ろう!
(1)季語は一つ入れる。
・季語になるか否かは歳時記で確認するとよい。
(2)切字を1つ入れる。切字は2つ入れないのが原則。
(3)無駄な言葉を省き、イメージが浮かぶ俳句にする。
III 俳句会に参加しよう!
「俳句は『座の文学』である。」と言われる。吟行や俳句会で仲間と俳句を作り鑑賞するのが面白い。
句会では作者の名前を伏せて選者による選や参加者による相互の選(互選)をする。初心者でも参加者の共感を得た句だと高得点を得ることが出来る。選に入らない句の作者の名前は公表しないのが普通であるが、選者がアドバイスするために名前を確認する場合もある。
インターネットで検索すると、三田俳句協会があり、フラワータウンでは「しぐなる俳句会」がある。(連絡先: 藤野慧子)
この講演を契機に俳句を始めようと思う人が気楽に楽しめる俳句会を立ち上げると面白いかもしれないと思っています。
IV 俳句の鑑賞
兼題の季語の俳句は下記URLをクリックすると詳細がご覧になれます。
「柿」http://www.haisi.com/saijiki/kaki1.htm
「曼珠沙華」
http://www.haisi.com/saijiki/manjushage1.htm
「秋風」http://www.haisi.com/saijiki/akikaze1.htm
「台風・野分」http://www.haisi.com/saijiki/taihuu1.htm
「さはやか」http://www.haisi.com/saijiki/sawayaka1.htm
「名月」http://www.haisi.com/saijiki/meigetu.htm
「秋」http://homepage3.nifty.com/a-un/za/meiku/aki.html
卑近な例句から
・覚束ぬピアノの遠音秋の蝶 (木下さとし)
(自句自解)
上記の句は俳句雑誌「花鳥」の「さいかち集」(兼題が「秋の蝶」)に投稿したものです。孫の引くピアノを聞いているときに、取り合わせの句として思いついたものです。
(俳人栗林圭魚氏の句評)
「どこの家からか、習い始めたばかりのような、ゆっくりゆっくり指を選んでいるピアノの音が聞こえて来る。先程から庭先を飛んでいる蝶の秋を惜しむような姿を見ながら、ピアノの幼い遠音に心が安らいでいることに気づいたのである。「遠音」という描写が、秋の蝶としっかり調和している。」
V 俳句の歴史・発展
ウイキペディアの俳句の解説(抜粋)
「俳句は近世に発展した文芸である俳諧連歌、略して俳諧から生まれた近代文芸である。室町時代に流行した連歌の遊戯性、庶民性を高めた文芸が俳諧であったが17世紀に松尾芭蕉が出てその芸術性を高め、なかでも単独でも鑑賞に堪える自立性の高い発句、すなわち地発句を数多く詠んだ事が後世の俳句の源流となる。
さらに近代文芸として個人の創作性を重視して俳句を成立させたのが明治時代の正岡子規であった。子規は江戸末期の俳諧を月並俳諧と批判して近代化した文芸たらしめるための文学運動を行い、発句が俳句として自立した。俳句の自立後の視点から、芭蕉などの詠んだ俳諧の発句をさかのぼって、俳句と同一視するようになった。」
高浜虚子の考え方
・俳句は自然(花鳥)を詠い、自然を透して生活・人生を詠い、自然に依って志を詠う「花鳥諷詠の文芸」「極楽の文学」である。
(川柳とは)
俳諧、すなわち俳諧連歌から派生した近代文芸である。俳句と同じ五七五の音数律を持つが、俳句が発句から独立したのに対し、川柳は連歌の付け句の規則を、逆に下の句に対して行う前句付け(前句附)が独立したものである。俳句にみられる季語や切れの約束[1]がなく、現在では口語が主体であり、字余りや句跨りの破調、自由律や駄洒落も見られるなど、規律に囚われない言葉遊びの要素も少なくない。かつての俳諧では雑俳に含めて呼ばれたことがある。
(短歌とは)
「短歌」は5・7・5・7・7形式 。
『万葉集』(まんようしゅう、萬葉集)は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集である。
「百人一首」は平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活動した公家・藤原定家が選んだ秀歌撰である。
「古今和歌集」(略称:「古今集」)は、平安時代(794年 - 1185年/1192年頃)前期の勅撰和歌集。
VI 俳句への思い(木下さとし)
俳句は人それぞれの立場で、自分の思い、好みで作り、楽しめばよい。
月並みであっても、句作で頭の体操をし、吟行の旅を楽しみ、句友と酒を飲みながら俳句談義など放談・切磋琢磨して老後の生活を楽しめば良い。少しでも多くの人に評価される句が作れるなら、それに越したことはない。俳句の世界は、入り易いが奥が深く、向上心があれば飽くことがない。秀句・名句はプロの俳人に任せるにせよ、自分なりの俳句の道で精進したい。
スウェーデン大使館の英語俳句・川柳コンペティションに応募したところ、小生の川柳が1句、家内の俳句(小生が英訳)が2句入選した。
国際俳句交流協会では俳句を国際的に広めて、無形文化世界遺産に登録されるようにしようと努力している。微力ながらその一助にでもなればと思い国際俳句交流協会に入会した。俳句は和食と異なり、言語・言葉の問題が障壁になるから世界遺産登録を実現することは容易でない。この言語の壁にチャレンジして英語の俳句も広めたい。
日本語の俳句の精神が世界のHAIKU(俳句的な短詩)として、それぞれの国の風土や言葉に適応・発展し、俳句がその母体として評価されるようになることを祈っている。いずれにせよ、自分なりに専門分野の体験を活かし、英語の俳句(HAIKU)を通じて国際交流を促進することができれば幸いである。
VII 参考情報
季語や例句を検索できるインターネットサイト
・「増殖する俳句歳時記」
・「俳誌のサロン」(季語や色々な俳誌を見ることが出来る)
月間俳句雑誌
俳句の結社や主宰のホームページ
・花鳥(主宰:坊城俊樹)
(HPは http://news.haiku-kachou.jp/about/です。)
電子辞が便利です。ご参考までに下記の文字をクリックしてご覧下さい。
以上