前川淳さん(西宮在住)の投句をまとめて通読出来るように編集・掲載させて頂きます。
2015.9.1投句
1)女性の惚れた靖国神社
2)貴殿の脚は百万ボルト
3)追想の衣に重ね着して生きる
4)横顔にわが背徳が透けて見え
5)落陽に祈るあしたの風のこと
6)サボってはいませんスローライフです
7)敗北の背中に過去が突き刺さる
8)遺言を書いておまけを生きている
9)鋭角に三日月懸かる冬の夜
10)はつらつと生きる人生二毛作
(作者のコメント)
(1)の句は女性3閣僚、女性政調会長、など5人が8月中旬に靖国神社を参拝しました。
(2)の句のベースになっているのは「君のひとみは10,000ボルト」(堀内孝雄唄)。ボルトはbolt(選手の名前、および道具のナット類)とvolt(電圧)をかけたものです。
(チュヌの主人の補足説明)
川柳も様々ですが、上記2句は前川氏の朝日川柳掲載句で珍しい短句(7・7)です。このブログ用に若干修正して頂いたようですが、朝日川柳全国版の入選率は約1%という難関だそうです。
2015.2.16投句
・色即是空 雑踏の真ん中で
・難敵だ弱火でそろり煮詰めよう
・無位無冠 集まる群れの輪は丸い
・古傷が埋められている回り道
・まだ涸れぬ脳にせっせと種を蒔く
・終章の淡い種火に点火する
・踏まれると逞しくなる麦である
・ストレスを食べる胃袋持っている
・氷原で聴く五線譜のラブレター
・流行のごとく繋がる事件事故
2014.7.18投句
・高尚な方と一緒の飯の味
・プロの打つ釘の頭は潰れない
・大法螺の口の綻び縫うている
・詩心湧く終着駅の町の色
・浮世離れの首が浮いてる露天風呂
・無くせない戦を思う葉月来る
2014.3.1投句
・逞しい歩幅老け込む気配なし
・おばさんを舞姫にするコスチューム
・もう抜けぬ8020残さねば
・リストラで辞めてゆくのは屋台骨
・力まずに勤め上げたと亀の自負
・風切った肩も次第に丸くなる
・虫眼鏡使って覗く利子の欄
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