俳句(Haiku)や特許明細書(Patent Specification)の翻訳について

(他のブログを見るには、左側のアクセスランキングやカテゴリの興味あるタイトルをクリックして下さい。)

伝統俳句は旧仮名遣い・文語体の5・7・5の定型を用いて詩的表現をするので文字通りに簡潔に直訳すると何を言いたいのかわからなくなる。意味が分かるようにすると散文的になり、俳句の面白さが無くなる。この点、川柳は口語を用い定型に拘らないので、英語に翻訳しても比較的抵抗感が無い。

これに対し、特許明細書の記述は長文で語句のつながりが分かりにくい。日本語と英語では構文・語順に大きな違いがあるので、構文に配慮せず英訳すると実態と異なる意味になることがある。特許の発明者や特許弁理士など技術内容がわかっていると、先入観で走り読みして誤訳に気づかないことがある。第三者は特許明細書の記載だけで意味を理解するから、技術的専門用語のことはともかく、読めば分かる正確な翻訳をしなければならない。誤訳があると、折角の発明・特許を生かすことが出来なくなる。「特許を生かすも殺すも翻訳次第」と常に自戒しながら翻訳をしている。

 自作の俳句・川柳や特許明細書の翻訳について、それぞれ試訳の1例を挙げる。

          

                        

(俳句の試訳) 

・野分去り俄か樵となりにけり

      Typhoon has gone,

            I have become

                  an ad hoc woodcutter.

                    

                   

(川柳の試訳) 

・我が鼾とがめて妻は高いびき

            Upon accusing me of snoring,

                  my wife also

                         began a loud snore.

                  

                      

 (特許明細書の試訳)

「本発明の光通信器は、誘電体回路基板に光送信機能部、光受信機能部又は光送受信機能部を搭載し、全体を筐体(光通信器の一番外の面を構成する部材をいう)で包囲してなり、前記誘電体回路基板の少なくとも一枚は、片側面に金属部が形成された誘電体回路基板であり、前記誘電体回路基板の片側面に形成された金属部が、筐体の最外面の一部又は全部を構成しているものである。」

       

(試訳例)

An optical communications module according to this invention comprises: one or more dielectric substrates on which an optical transmitter section, an optical receiver section, or an optical transceiver section is provided; and a chassis encasing all of the dielectric substrates (the chassis refers to the outermost member of framework of the optical communications module), wherein at least one dielectric substrate has a metal part formed on one side thereof, the metal part constituting at least the whole or a part of an outermost surface of the chassis.

 




























































































































































































































コメント(0)