俳人の文法力
昭和・平成の俳句界を代表する俳人の2~3人の著書を見ると、高浜虚子の俳句「神にませばまこと美はし那智の滝」について、「那智の滝は神様なのでじつに美しい」などと単純に解釈していますが、それは文法的な裏付けの無い感覚的解釈でしょう?
「神にませば」が何故「神様なので」と解釈されるのか納得できず、2年程前に俳句の深読みをして、「高浜虚子の俳句 《「去年今年」と「神にませば」の面白い解釈》」というブログ記事を書きました。
最近、この解釈を裏付ける「補陀落・普陀落(ふだらく)」という言葉に出会い、筆者の解釈が間違いでなかったという確信を得ました。
広辞苑によると、「ふだらく」は「(梵語Potalakaの音写。光明山・海島山・小花樹山と訳す)観世音菩薩が住む山。南海上にあるという。日本では和歌山県那智山などに擬する。」と解説されています。
著名な俳人の中には、詩的解釈を文法的解釈よりも優先し、自分の解釈に合わなければ、自分の文法力の無さを棚に上げ、「目糞鼻糞を笑う」ような批判をしている俳人がいますが、高浜虚子の俳句を嘲る俳句の先生はその一例でしょう。
(蛇足ですが、「俳句の先生」でインターネット検索をすると、「プレバト」で人気絶頂の夏井いつき先生に関連する記事ばかりですが、夏井先生のことを指しているのではありません。)
俳句は世界最短の定型詩ですから、「日本語の豊かな言葉を生かすべく、文法を疎かにせず、俳句を作り、俳句を鑑賞したい」と思っています。
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2024.5.18 更新
投稿: | 2024年5月19日 (日) 05時48分
「俳句《涼し》死の話」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/07/post-70ee.html
や
「言葉の力・俳句の力 《癒し》」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2022/07/post-ea4b.html
をご覧下さい。 (薫風士)
投稿: | 2022年8月11日 (木) 09時14分
「プレバト夏井先生の添削を添削する」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/purebato.html
や
「春」の俳句特集:薫風士のブログ「俳句HAIKU」
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/02/haiku-f2f4.html
をご覧下さい。「俳句の面白さ・奥の深さ」が分かるでしょう。
(薫風士)
投稿: | 2021年4月 8日 (木) 06時44分
一升さん
「神にあり=神なり=神だ」という歴史的根拠があれば教えて下さい。
高浜虚子の俳句 <「去年今年」と「神にませば」>の面白い解釈
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2017/10/post-1b46.html
を読んで頂けましたか?
まだなら、文法音痴にならないように、是非読んで下さい。
この俳句の「ば」は「順接条件で、理由・原因を示す助詞」ですよ。
俳句の深読みをして、面白い解釈をしてみたのですが、
論理的に間違っているでしょうか?
記事の中の青色文字をクリックしてリンクした記事や写真などもご覧下さい。
万一、薫風士の論理に文法的な誤りがあるなら、
改めて解説しますので、指摘して頂けると幸甚です。
薫風士
投稿: | 2020年9月 6日 (日) 23時26分
神にます=神にあり=神なり=神だ、だと思うので、「神にませば」は感覚的にではなく文法的にこそ「神なので」と解釈するのが自然だと思います。
薫風士さんは、神にます=神にあり=神が持つ、と「に」の意味を取り違えているため齟齬が起きているのでしょう。「にある」を「が持つ」と即変換してしまったのは、翻訳に慣れているせいだと思います。
「ふだらく」にも繋がる滝の神性を指しているという結論は、合っていると思います。
投稿: 一升 | 2020年9月 5日 (土) 06時13分
・気の合いし句友と談義年忘れ
「俳句は楽しむもの・苦にするものではない」
初心者が「名句」でなく「迷句」を作っても
恥じることはありません。
「迷句でも楽しめば良い」と割り切って
5・7・5を口ずさみましょう。
その内に、まぐれでも「名句」が出来るのが、
俳句の面白さです。
若い世代に俳句の楽しさを知ってほしいとの思いから
このブログ「俳句HAIKU」を書いています。
ご笑覧下さい。
薫風士
投稿: | 2019年12月13日 (金) 19時30分