五月雨や桶の輪切る夜の声
(samidare-ya oke-no-wa-kiruru yoru-no-koe)
the early summer rain_
the tub’s hoop break:
the voice of night
(注)
この俳句をWEB検索すると、「桶の輪切る」を「箍が切れた」と解釈していますが、「桶の輪切れし」とか「桶の輪切れたる」という表現でないので、そのような解釈は誤りでしょう。
「夜の音」といわず「夜の声」と擬人的表現をして、「桶の箍が切れるほど強い五月雨に桶の水が溢れている音がする」のを比喩的に詠んだ俳句と解釈して、「切る」を「break」と不定詞(動詞の現在形の「s」を付けない原形)にして、仮定法現在で訳出しました。
ちなみに、「575訳」も次のとおり翻訳していますが、誤訳と言えるでしょう。
in the summer rain
the hoop of the pail has split,
a sound of the night
「575訳」とは何か、ここをクリックして、国際俳句協会HPの「英語でわかる芭蕉の俳句」をご参照下さい。
伊藤園「新俳句大賞」「英語俳句とは・・・」というサイトに、「英語俳句は英語の現在形で自由に創る三行詩です。」という記載がありましたが、「英語の現在形」という限定をしている理由を教えて頂けると幸いです。