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2014年8月 7日 (木)

俳句・HAIKU 言語の壁を破るチャレンジ(10)

国際俳句交流協会のHP「愛好10句」ウィリアム・J・ヒギンソン(俳号:緋庵)抄出に次の俳句が掲載されている。

    

火の奥に牡丹崩るるさまを見つ

 

この句は加藤楸邨の昭和20年の作であるが、山本健吉の「定本 現代俳句」における解説を次に抜粋する:

523日、深夜大編隊空襲、一夜弟を負ひ、二子を求めて火中彷徨」と前書きがある。次いで、「524日、我が家も消失、雲の峰八方焦土とはなりぬ」「明易き欅にしるす生死かな」。豪華な句である。家が火で崩れ落ちるさまを、「牡丹崩るる」と形容したのである。だが、単なる形容ではなく、楸邨式に言えば作者の感情の昂揚が牡丹に「感合」したのである。---- 比喩としての牡丹ではあるが、作者はまざまざと大輪の真紅の牡丹の崩れ落ちるさまに、目を見張っているのだ。比喩の裏付けとしての作者の感動の大きなゆらぎを感じとることができるのだ。  

     

上記の解説の句意はHIAのHPに掲載された次の英訳HAIKUに反映されているだろうか? 

in the fire-depths
saw the way
a peony crumbles

  

この俳句を作った楸邨の意図は前書きのある原句ではわかるだろう。しかし、上記の英訳では前書きや解説がなく、その句意は全く分からない。山本健吉が解説しているような作者の意図を訳出することは至難の業であるが、次のように思い切った意訳をすれば、すこしは反映出来るのではなかろうか?  

in the air-raid fire

my house burnt down

crumbling like a peony

 

外国の俳句愛好家に日本語の俳句を理解して貰えるように作者の意図・句意をHAIKUに反映して翻訳するためには、意訳が避けられない場合が多い。もし、楸邨が英語を理解し上記の翻訳HAIKUを読むことができたとすれば、何と思うだろうか?

俳句・HAIKUの翻訳に携わっている関係者のご意見を賜れば幸いである。

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