俳句の鑑賞《祭り》

 

(2024.9.1 更新)
地震に耐ゆ祭太鼓の心意気

恐竜の吠ゆる駅前祭り唄
フェニックスてふ祭大会福井駅
コンコース祭音頭の溢れをり
祭り見て立ち寄り迷ふ土産店
さとまつり売切れしたる缶ビ-ル
抽選に子等小躍りや里祭
コロナ禍の自粛解けたる夏祭

       (薫風士)

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二つ目の写真は、福井新聞の記事(「福井フェニックス祭り」)の切り抜きです。

 

 

(2021.5.6の記事)

女房は下町育ち祭好き 

        (高浜年尾)

 高浜年尾の掲句について、清水哲男氏は「増殖する俳句歳時記」において次のように述べています(抜粋)。

「なんとも挨拶に困ってしまう句だ。作者が虚子の息子だからというのではない。下町育ちは祭好き。……か、どうかは一概にいえないから困るのである。…(中略)… この句のように『そうなんだから、そうなんだ』という類の句は、見回してみるとけっこう多い。(以下省略)」  

しかし、「そう決めつけられては困るよ。」と作者(高浜年尾)はあの世で言っているかも知れません。作者は妻が祭り好きなことを理屈抜きで俳句に詠んだに過ぎないでしょう。
俳句は散文と異なり所詮片言ですから、読み手次第で解釈が異なることが多いですね。

(青色文字をクリックして作者の紹介記事や俳句の詳細をご覧下さい。)

  

合本現代俳句歳時記(角川春樹編)の季語「祭」の項には傍題が次のとおり12あります。
「夏祭」「祭礼」「宵祭」「夜宮」「神輿」「山車」「祭囃子」「祭太鼓」「祭笛」「祭衣」「祭提灯」「祭髪」

 

インターネット歳時記(「俳誌のsalon」)の「祭」の各ページから気の向くままに2句抜粋させて頂きます。

  

祭1

復興の町に景気の祭山車   

       (稲畑汀子)

 

子が手綱引いてやさしき祭馬 

      (野沢しの武)

 

  

祭2

賀茂祭馬耐へがたく尿放つ

      (西田もとつぐ)

 

父の手を振り切つてはや祭の子

        (品川鈴子)

  

祭3

故郷の祭を恋ひて母逝きぬ
       (藤村美津子)

 

点滴のベッドへ遠き祭笛   

      (辰巳比呂史)

  

祭4

この村が好きで老いたり祭笛

        (梅原富子)

 

教え子の祭化粧を見つめおり 

       (小林玲子)

 

祭5

水打つて祭日和となりにけり 

        (柴田英彰)

 

ふるさとに海の幸あり祭鮨 

        (斉藤静枝)

 

祭6

祭ある地球によくぞ生まれける 

        (鷹羽狩行)

 

落語家の芸賑々し祭船 

        (名取袿子)

 

祭7

町並に古色戻りぬ祭あと

     (小泉三枝)

 

獅子の尾を振る役たまふ祭かな 

        (浅田光代)

  

祭8

神田川祭の中をながれけり
      (久保田万太郎)

 

阪神の帽子で神田祭の子  

       (大久保白村)

  

祭9

下町に祭気分の漲(みなぎ)れり 

       (稲畑廣太郎)

 

てのひらを味見の皿に夏祭  

      (小城綾子)

  

祭10

祭くる百八歳の大往生  

      (大坪景章)

 

軽トラに稚児乗せ団地祭かな 

      (中川すみ子)

  

祭11

駅を出て神田祭に揉まれけり 

      (内藤静)

 

抜路地を流れ遠音の祭笛   

       (中野さき江)

  

祭12

星空に鼓動の余韻夏祭   

      (宮崎薫風)

 

祭ずし嫁へ言ひつぐかくし味 

      (白神知恵子)

 

祭13

祭太鼓腹にひびくや總踊り

      (井沢ミサ子)

 

背伸びして募金する児の祭髪 

       (石田きよし)

 

祭14

働きし手を見せ合うて祭かな 

      (小嶋恵美)

 

祭牛を宥めすかして御田掻く 

       (大橋晄

  

祭15

昔の名坂に残りて祭町   

     (今井千鶴子)

 

人違ひしたりされたり鉾祭

      (山野美賛子)

   

俳句祭り」などを開催して町の活性化を図っている地方自治体が増えているようです。
俳句を世界無形文化遺産に登録しようという運動も推進されています。
コーラスやゲートボールなど様々な趣味がありますが、俳句は楽しくて健康に良いばかりでなく、前EU大統領の言のごとく、人心を世界平和へ導くことにも貢献できそうです。それにしても、言葉の壁・言語の壁を破り「俳句」の国際化を促進して俳句の世界無形文化遺産登録を実現することは至難でしょうね。

 

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青色文字をタップすると、最新の「俳句(和文)」や「英語俳句」の記事をご覧頂けます。


2024年9月17日 (火)

敬老会《俳句と写真》

   

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2016年9月に書いた『敬老の日』『子規忌・糸瓜忌・獺祭忌』に思うこと」を多くの方にご覧頂きましたが、今日は2024年9月16日に最寄りの敬老会に参加して詠んだ拙句(まんぽ俳句)と写真をご覧頂けると幸いです。 

        

敬老の園児のビデオ和やかに

敬老の弁当の箸折鶴に

冷茶汲み鎮めし猛暑敬老会

敬老会亡きチュヌのこと隣人と

まんぽ俳句敬老会の話題にす

オカリナの音に癒されし敬老日

敬老会坂本九の歌で締め

思出のスキヤキ・ソング敬老日

敬老会我が青春が甦り

敬老会我が誕生に思ひ馳せ

        (薫風士)

 

敬老会の主催者や参加者のご厚意とご配慮のお陰で、胃の無い老躯ながら、おもてなしの弁当を残さず頂きつつ、オカリナの演奏などを拝聴しました‼️

関係者の皆さん、ありがとうございました‼️

  

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2024年9月14日 (土)

俳句《酔芙蓉・紅芙蓉・白芙蓉》

     

朝夕の色の変化や酔芙蓉

まん歩して色確かめし酔芙蓉

まん歩すや白紅の芙蓉道

花芙蓉行き交ふ人も様々に

しとやかな花の一日や酔芙蓉

       (薫風士)

  

芙蓉の例句を歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに抜粋・掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字をタップしてご覧下さい。

  

爽涼の日々あらたなる花芙蓉

      (倭文ヒサ子)

  

門口に子供自転車紅芙蓉

       (丑久保勲)

   

朝の日に目覚めて白し酔芙蓉

       (石井邦子)

  

違はずに夕べ紅さす酔芙蓉

      (相沢有理子)

  

夜明け前まだ真つ白き酔芙蓉

       (秋川泉)

   

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冒頭の二つの写真は、9月14日の夕方の風景です。

   

  

   

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この酔芙蓉の写真は、9月15日の朝6時過ぎの白色と午後2時頃のピンク色になった色の変化を示しています。

  

   

最後にまんぽ道の朝•昼•夕の風景やジョギングなどをしている人々などの写真を掲載します。          

  

この青色文字(「俳句」や「HAIKU」)をタップすると、「俳句HAIKU」の最新の俳句や英語俳句の記事をご覧になれます。

   

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2024年9月10日 (火)

手作りの句集「入院35日」

   

9月の初めに俳句HAIKUの記事「俳句の深よみ《龍の玉》」で、句集「踏青」(岡西宣江著 ふらんす堂2011.9.7発行)を紹介しましたが、9月9日「重陽」の日に、句友がほっこりと心の温まる手作りの句集「入院35日」を送って呉れました。

   

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楽しい句集の一例として、その一端を写真で紹介させて頂きますが、遊び心のアイデアが楽しい俳句があります。

  

「雑草のエース目指すや仏の座」は、深読みすると二通りの解釈が出来ます。

   

(青色の文字をタップすると、リンクした記事が表示されます。記事をご覧になり、お楽しみ頂ければ幸いです。)    

      

作者は「仏の座が雑草のエースを目指している」と詠んだのかも知れませんが、「作者自身を仏の座に喩えた比喩である」と解釈することが出来ます。

   

「エ-スを目指す」ではなく、「エ-ス目指すや」と、助詞「や」を使っているので、遊び心の比喩の俳句を詠まれたものと解釈するのが妥当でしょう。

    

俳句HAIKUの記事「初秋の吟行《萩の寺・東光院》」において、高浜虚子の俳句「おもひおもひに座りこそすれ萩の縁」が掛詞であることを紹介していますのでご覧下さい。

  

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「退院日告ぐる医師なり涼新た」は医師への謝辞を詠んだ存問の俳句でしょうが、自分の喜びを表現するとすれば、「退院日医師に告げられ涼新た」とすると良いのでは?

 

作者(典子さん)は、背もたれの無い⁉️椅子の浅掛けで転んで骨折された由ですが、無事に退院されて何よりでした。

  

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この写真の松の生花は、今年の干支「辰」にちなんだ「龍」の造形です。

  

お寺の「ご新さん」(住職夫人)としてお経を読まれるばかりでなく、多くの方々に生花を教えてこられ、「俳句的生活」をエンジョイされているので、お弟子さんや檀家の方々など若い世代の俳句愛好家が増えることを期待しています。

  

俳句HAIKUの記事「まんぽ俳句を楽しもう!」や「本との出会い《俳句的生活》」、「句集『良夜』と『芭蕉句碑・文学碑紀行集』」などをご覧頂けると幸いですが、歳時記(俳誌のサロン)の「仏の座」の例句は、ここをクリック(タップ)すると、ご覧になれます。

         (薫風士)

 

この青色文字(「俳句」や「HAIKU」)をタップすると、「俳句HAIKU」の最新の俳句や英語俳句の記事をご覧になれます。

 

   

《重陽》まんぽ俳句と写真

   

歳時記(俳誌のサロン)の「重陽」の例句は、ここをタップしてご覧下さい

 

9月9日は重陽の節句で、「菊の節句」とも言れますが、今年の重陽は真夏日でした。

沸くような猛暑の昼間は外出を避けて夕方に買い物を兼ねてまん歩し、駄句を口ずさみました。

  

母偲ぶ重陽暑し「沸くよう」に

重陽や句集あれこれ読み返す

重陽に輪廻思ひつ庭手入れ

重陽の吾庭に舞ひ来大揚羽

重陽やマロニエ並木立ち枯れし

重陽の暑き夕暮れジョガ-行く

重陽の入り日の光るまんぽ道

重陽の犬連れ多き暮れまん歩

気遣ひし重陽の暮れ老二人

重陽の三日月仰ぐまんぽ道

重陽に安酒求め帰路に汗

重陽の往年偲ぶマスカット

重陽や吾庭の西瓜デザートに

重陽に寝汗のにじむ熱帯夜

         (薫風士)

   

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2024年9月 8日 (日)

俳句《良夜》

  

歳時記(俳誌のサロン)から「良夜」の例句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をタップしてご覧下さい。

   

良夜1

村中の田圃が見えて良夜かな

        (村田近子)

   

良夜2

よき相の犬連れて出る良夜かな

       (山崎辰見)

   

良夜3

天平の甍波打つ良夜かな

       (磯野たか)

   

寺の鴟尾彫深くなる良夜かな

       (渡辺淳子)

   

良夜4

先を行く人に歩合はす良夜かな

        (松山直美)

   

良夜5

シースルーエレベーターの良夜かな

       (田岡千章)

    

良夜6

芝居はね銀座通りをゆく良夜

       (木村瑞枝)

  

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2024年9月 7日 (土)

俳句《白露》

 

9月7日は白露ですが、天気予報によると当地は来週も真夏日が続き、全国では猛暑日になる地域もあります。

そこで、まんぽ俳句を1句口ずさみました。

   

真夏日や白露の今日も来週も

        (薫風士)

    

歳時記(俳誌のサロン)の「白露」の例句を気の向くままに抜粋掲載させて頂きます。

例句の詳細は青色文字(季語)をタップしてご覧下さい。

  

白露1

快晴の白露の一日授かりぬ

       (稲畑汀子)

 

白露2

思ひ出は消ゆることなく白露かな

      (玉手のり子)

   

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俳句《萩》

   

歳時記(俳誌のサロン)から気の向くままに「萩」の例句を抜粋掲載させて頂きます。

青色文字(季語)をタップすると、例句の詳細をご覧になれます。

    

萩1

萩寺の萩刈られある広さかな

      (湯淺苔巌)

  

萩2

押分けて行けば行かるる萩の原

     (正岡子規)

   

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こぼれ萩見下してゐる鬼瓦

       (栢森定男)

  

萩4

新は深なり子規偲ぶ萩の寺

      (稲畑廣太郎)

  

萩5

句碑生れてここ萩の寺萩の縁

      (稲畑廣太郎)

  

萩6

若がえる体操しすぎこぼれ萩

      (池田久恵)

  

萩7

子規庵に「江戸しぼり」てふ萩咲けり

      (中村洋子)

   

萩8

萩の園ベンチで叩く電子辞書

      (渡辺倫子)

  

萩9

また一人加はる忌日萩の露

      (安原葉)

   

萩10

一株のありてわが家も萩月夜

      (鷹羽狩行)

  

萩11

余生なほ託す夢あり萩の花

      (大島みよし)

  

萩12

白萩を分け子規の碑を覗きけり

      (西村節子)

  

萩13

さりげなき別れの言葉風の萩

      (布村松景)

  

萩14

立ち漕ぎで走る自転車萩の坂

      (瀬島洒望)

  

萩15

青萩のトンネルを抜け園眩し

      (神谷さうび)

 

萩16

次もまた通過電車やこぼれ萩

      (会田三和子)

  

萩17

皆が詠む萩に隠るる百度石

      (後藤比奈夫)

 

萩18

あともどりできぬ歳月萩の風

       (森清信子)

  

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2024年9月 5日 (木)

初秋の吟行《萩の寺・東光院》

     

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歳時記(俳誌のサロン)の「萩」の例句は、この青色文字をタップしてご覧下さい

   

冒頭の写真は、東光院のパンフレットです。

写真をタップ拡大すると、「子規忌へちま供養」の入選句(特選5句・佳作20句)をご覧になれます。

ここをクリック(タップ)して、「『敬老の日』子規忌・糸瓜忌・獺祭忌に思うこと」をご覧下さい。

      

_142814_2阪急宝塚線「曽根駅」の近くにある萩の寺「東光院」を2024年9月4日に句友と吟行しましたが、残念ながら萩の花は幾つか咲き初めたばかりで、ほとんどの萩はまだ青々と繁っていました。 

    

    

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当日は快晴の真夏日で、寺苑を一巡すると汗が出る状態で、昼餉の喫茶店「タンネ」の冷房生ビールで秋の汗を鎮めました。 

   

萩の寺「東光院」を紹介する拙句(まんぽ俳句)を掲載します。

  

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仲良しと一日を惜しむ萩の寺

延命橋銀杏落ちて踏まれけり

延命とふ地蔵拜すや黄葉降る

秋の空映ゆる本殿ガラス張り

萩の花探し寺苑をぐるぐると

虚子の句碑見落としたるや萩の寺

門前に虚子の句碑あり竹の春

稚児抱く水子地蔵や紅芙蓉

二つ三つ咲き初む萩や東光院

子規の句碑覆ひし萩の花未だ

萩囲む雨月主宰の親子句碑

観音像木漏れ日に座す萩の寺

祈りては秋水かける大観音

東光院苑を巡りて秋の汗

苦吟しつピザとビールの昼餉愛づ

秋暑き吟行したる句座楽し

吟行の疲れ癒すや冷酒

           (薫風士)

  

東光院の萩の苑などの写真を最後に掲載しますが、拙句と合せてご笑覧頂けると幸いです。

    

おもひおもひに座りこそすれ萩の縁

我のみの菊日和とはゆめ思はじ

       (高浜虚子)

   

虚子の上記「萩の縁」の俳句を深読みすると、「萩の見える縁側」の意味と「萩の寺のもたらす縁」と、二通りの解釈が出来ます。

  

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高浜虚子も東光院を訪ねたことがあるとのことなので、萩の花の盛りに訪ねて改めて吟行をしたいと思います

  

   

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2024年9月 4日 (水)

俳句と写真《八朔の風景》

   

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(写真)

日本伝統俳句協会のカレンダー(一部分)

  

   

令和6年9月3日は八朔です。

   

   

     

    

「八朔」の気象を詠んだ例句を歳時記(俳誌のサロン)から2句抜粋掲載させて頂きます。

  

八朔の遠雷ひびき雲早し

       (福盛悦子)

  

八朔や煙のごとき雨が降る

      (高倉和子)

  

八朔や豊作祈り駄句を詠む

      (薫風士)

  

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昨年は熊が町に出没し、カメムシが沢山居た年だったので、10月に芭蕉の足跡を辿り東北地方を吟行したときのバスガイドさんが何度も亀虫に注意するよう促してくれたことを思い出しました

   

今年は猛暑が続いて八朔になっても米不足は解消していません。

カメムシが多い年は豊作になると有難いのですが……
  

八朔のフロアに小さき亀虫來

八朔や雲無き空に月も無し

八朔の風に乗り來し電車音

虫の音にハノンピアノやまんぽ道

八朔や真夏日なほも続きをり

八朔や台風予報相次ぎて

八朔や総裁選のあれこれと

       (薫風士)

  

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2024年9月 1日 (日)

俳句の深よみ《龍の玉》

    

「龍の玉」といえば、高浜虚子の俳句「龍の玉深く蔵すといふことを」が先ず浮かびますが、最近句友から拝借した句集「踏青」(岡西宣江著)に深読みすると面白い傑作がありました。

 

俳句HAIKUの記事「芭蕉や虚子の面白い俳句をまとめましたで紹介したのとは異なる面白さがありますので、句集の抜粋頁(跋)や表紙の帯などの写真で紹介させて頂きます。

 

何が面白いのか、写真をタップ拡大してご一読頂き、考えて頂けると幸いですが、ヒントは次の踏青の句の鶏と牛の鳴き声のオノマトぺです

  

さやうかと白眉うなづく龍の玉

踏青や鶏のこゑ牛のこゑ

     (岡西宣江)

 

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2024年8月28日 (水)

俳句《故郷の風景・稲穂風》

 

故郷の浸る思い出稲穂風

丹波路や思い出多き稲穂風

         (薫風士)

   

堪へがたし稲穂しづまるゆふぐれは

                          (山口誓子

   

「ゆふぐれは」は「耐へがたし」を視覚的に強調し、省略した「耐へがたい」対象を考えさせる為に「夕暮れは」と漢字を使用しなかったのではないでしょうか?

省略された言葉は「稲穂の匂い」ではなく、有機肥料などの「田畑の匂い」でしょう。

この俳句の句意は稲田に囲まれた田園生活の体験の無い方には理解できないでしょう。

      

歳時記(俳誌のサロン)から「稲穂風」の例句を2句抜粋掲載させて頂きます。

 

山ひとつ越えれば湖国稲穂風

        (仲井多美江)

  

遅速なく刻む水車や稲穂風

        (黒滝志麻子)

   

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2024年8月23日 (金)

俳句《冷麦》

 


冷麦や入れ歯新調したる味
冷麦や胃無き老躯の日々の糧
冷麦の昼餉を愛づや街猛暑

       (薫風士)

 

_132139_3 写真は、親戚がくれた中矢製麺所の冷麦「金龍ひやむぎ」です。

 


歳時記(俳誌のサロン)から「冷麦」の例句を抜粋掲載させて頂きます。

冷麦をすする最中人がくる
      (武田正子)

 


冷麦のすすり音高く卒寿なる
       (南うみを)

 


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2024年8月16日 (金)

本との出会い《俳句的生活》

  

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秋の風鈴の俳句について俳句HAIKUの記事を書こうと、ふと思いついて、十年ほど前に読んだまま棚に置ていた長谷川櫂著「俳句的生活」のページをパラパラと繰って見た。

     

飯田蛇笏の有名な俳句「くろがねの秋の風鈴鳴りにけり」についての記事に納得し、高浜虚子の晩年の俳句「去年今年貫く棒の如きもの」や「春の山屍をうめて空しかり」などについての句評を見たが、「どれも非情な遊びごころの句である。」と、一括してあっさり切り捨てたような結論付けしているのみで、長谷川櫂氏の句評には物足りない気がした。

高浜虚子の俳句は櫂氏の好みに合わないのか、余り興味が無いのか、「あとがき」を読むと、虚子の俳句については認識不足と言わざるをえないと思う。

  

国際俳句協会投稿記事や「俳句談義(1)虚子辞世句『春の山』の新解釈」、「虚子の俳句『去年今年貫く棒の如きもの』の棒とは何か?」、「俳句談義(5): 戦時中の高浜虚子・文芸家としての良心」、「『客観写生』と『花鳥諷詠」の違い」などをご覧下さい。

  

「あとがき」に、「俳句の密室の壁を破りたい」 という趣旨の記載があり、同感であるが、更にその視野を世界に広めて欲しいものである。

   

俳句と川柳: 世界遺産へ小異捨て」をご覧下さい。

     

(最後に掲載の「俳句的生活」の「あとがき」等、抜粋頁の写真をタップ拡大してご覧下さい。)

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2024年8月11日 (日)

パリ五輪の俳句《立秋・秋立つ・秋に入る》

     

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冒頭の写真はフジテレビ「めざまし8」の一画面です。

 

パリ五輪の近況を日記代わりの拙句に詠みましたが、青色文字(季語)をタップ(クリック)して、歳時記(俳誌のサロン)などの例句をご覧下さい。

 

写真(NHK-TV画面など)を気の向くままに順次掲載しますので、写真をタップ拡大してご覧になり、貴方もご自身の思いを俳句に口遊んで頂けると幸いです。

     

パリ五輪四年辛苦の汗をかき

 

一瞬の為に汗すやパリ五輪

 

立秋やメダルラッシュのパリ五輪

 

秋立つや男子体操金メダル

 

秋立つや技の冴えたる日本団

 

基礎体力勝る黒人秋立ちぬ

 

多様性五輪の集ひ秋に入る

 

パリ五輪何だかんだと秋に入る

  

俳句《パリ五輪開会式に夏の雨》」や「俳句《盛夏のパリ五輪》」もご覧下さい。

        (薫風士)

  

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最後の二つの写真は、パソコンのMicrosoft Start画面に出た記事の一部分の写真ですが、パリ五輪の女子体操の銅メダル順位決定が二転三転したことやブレイキンは米国発祥の新競技にかかわらず2028年開催のロサンゼルス大会では採用されないこと等を報じています。

写真をタップ拡大して記事をご覧下さい。

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2024年8月 6日 (火)

俳句《パリ五輪「日焼」と「汗」》

    

メダリスト額の白き日焼け顔

メダリスト額に汗し目に泪

金メダル胸に泪の日焼け顔

炎天下雪辱したる銅メダル

        (薫風士)

   

掲句は、パリ五輪でベルサイユ宮殿に近い「ゴルフ・ナショナル」で開催された男子ゴルフ大会のメダリストを称える存問の拙句です。

 

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松山秀樹の活躍ぶりをNHK-TV画面の一部部の写真で紹介させて頂きます。

  

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因みに、「俳句《盛夏のパリ五輪》」や「俳句:汗とオリパラ」、「プレバト・永世名人の『サンダル』の俳句を考える」、等をご覧頂けると幸いです。

  

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2024年8月 3日 (土)

俳句「猛暑」「俄雨」《夏の橋立吟行》

     

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2022年10月に天橋立を訪ねた際に書いた記事「秋の天橋立《バス旅行の写真と俳句》」を読んで頂いた方もあると思いますが、2024年7月27日の猛暑に家族で天橋立を訪ねました。

     

こうのとり待ちたるホ-ム酷暑かな

冷房にほっと一息こうのとり

夕立に駆け込み茶屋の昼餉愛づ

冷酒のチョイ飲みセット愛でにけり

「あなたとの出逢いに乾杯」と気の利いた台詞が箸の包みに書いてあります。

この老舗「ちとせ茶屋」はキャッチフレーズを巧みに利用しており、応対も「気が利いて」、「記の効いた」・「機の効いた」文化度の高い現代的老舗と思いました。

写真をタップ拡大してご覧下さい。

         (薫風士)

  

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「冷房」や「夕立」は夏の季語ですが、「猛暑」や「俄雨」は歳時記に季語として認知されていないようです。

 

「俄雨夜中に降れど夕立と」 まんぽ俳句を詠むメモ代わりに撮った写真を掲載しますが、俳句結社の俳句会などに投句する場合は、主宰やメンバ-の好みを考慮して推敲すれば良いとして、日記代わりの「まんぽ俳句」を口遊んでいます。

皆さんも写真を見て疑似吟行をして頂けると幸いです。

     

俄雨上がり昼餉を終へ街へ

俄雨炎暑を冷やし心地良し

(にわたずみ)塔を映して風涼し

猛暑日の雨後の智恩寺涼しけり

晴れ男愛づや廻旋の橋 

雨宿りの昼餉のお陰でタイミングよく、珍しい廻旋橋の廻旋情景を見物出来ました。

ここをクリック(タップ)して、天橋立観光協会の観光ガイドで廻旋橋の解説・動画をご覧下さい。)

   

モノレールの窓曇らせし夏の雨

橋立や夏の雲を股のぞき

股のぞき夏の橋立登り龍

股のぞきパリにつながる夏の海

股のぞきビューランドの風涼し

炎天下なかよし地蔵穏やかに

リフトにて橋立愛づや夏の風

   

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2024年8月 2日 (金)

俳句《梔子の花》

 

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「梔子」や「くちなし」の例句は、ここをクリック(タップ)して、歳時記(俳誌のサロン)をご覧下さい

   

「ブログを書くのは時代遅れだ」「AIに任せた方が儲かる」などと言う人がいるようですが、「俳句HAIKU」 のブログは金儲けに書いているのではありません。

  

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ものが言える元気な口があるがぎり、「自由にものが言える時代を大切にしたい」との思いを駄句に込めてブログを書いています。

まんぽ道で、枯れた花の梔子に一輪白い花が残っているのに気付き、帰路に白いシェパ-ドのバラン君に会い、駄句を口ずさみました。

「バラン」という名前は、バラン君のご主人によると、漫画(アニメ)のバランに因んで付けたそうです。

    

梔子の朽ちし花にも白一つ

梔子の花や「まん歩」を白寿まで

梔子の朽ちたる花や雨後の道

梔子の匂ふまん歩や雨催

         (薫風士)

    

梅雨の亀の呟き《政界の若返りを!》」や言葉の力・俳句の力《癒し》」、「俳句《涼し》死の話」などをご覧下さい。

    

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2024年7月31日 (水)

俳句《盛夏のパリ五輪》

   

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冒頭の写真は、パソコンのMicrosoft Start画面の一部分「阿部詩選手」2回戦敗退についての投稿記事ですが、「2回戦」とすべきところが、文字化けなのか「2回線」になっています。

  

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柔道審判の判定に疑問の声が出ています。(2番目の写真参照) 

スポーツの祭典「オリンピック」は何事もフェアーにやってほしいですね。  

  

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永瀬貴規選手の強さにはミスジャッジの心配は無用でしょう。(3~4番目のNHK-TV画面 の写真参照)

  

俳句HAIKUの記事「俳句《パリ五輪開会式に夏の雨》」や「HAIKU of Chunu (spring)」などを多くの方々に読んで頂いたようですが、拙句「夏の雨世界平和へ地を固め」のとおり、翌日からは正に夏のスポーツの祭典になりました。

  

一瞬の技の冴えたる盛夏かな

         (薫風士)

  

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写真は、NHK-TV 画面の一部分です。

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「盛夏」の読み「せいか」は、「聖火」や「成果」「聖歌」「聖化」「清化」など、様々な言葉に通じますが、百年ぶりにパリで開催されたオリンピックは様々な人間模様が繰り広げられ、興味が尽きません。

その一端を、「俳句HAIKU」の記事として随時掲載します。

脱線することもあるかも知れませんが、フォローして頂けると幸いです。

 

「パリ2024オリンピック - 最新ニュース、日程 & 結果」は、

https://olympics.com/ja/paris-2024

をクリック(タップ)してご覧下さい。

  

2024年7月27日 (土)

俳句《パリ五輪開会式に夏の雨》

 

タイトルと掲句はブログ用の拙句「まんぽ俳句」です。

 

セ-ヌ川五輪パレード夏の雨
多様性続き延々夏の雨
パリ巡る聖火ランナー夏の雨
熱唱の愛の讃歌や夏の雨
パリ五輪聖火上るや花火無く
夏の雨世界平和へ地を固め
    

ロシアの人々がロシア軍のウクライナ侵攻・侵略戦争の速やかな停止を支援することを祈っています

         (薫風士)

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(写真)
NHK-TV 画面一部分


ここをクリック(タップ)して、歳時記(俳誌のサロン)の「夏の雨」の例句をご覧下さい。

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2024年7月25日 (木)

俳句《逞しき浜木綿の花庭隅に》

  

浜木綿や鉢の穴越し根付き咲く

                  (薫風士)  

タイトルと掲句は、庭の片づけをするために縁先の浜木綿の鉢を動かそうとしても簡単に動かず、根付いていることに気付いて即興に詠んだ「まんぽ俳句」です。

 

この写真のハマユウのように深く静かに潜行して、逞しく余生を生き抜きたいと思っていますが、潜水艦が潜航して活躍しなければならない戦争は起こさないように世界の人々が「俳句HAIKU」をシェアして、薫風士の世界平和への思いを支援してくれることを切望しています。

   

今日は大阪天満宮の天神祭です。

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