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2015年7月15日 (水)

政治談議(2)<政治家の「字面」軽視=外交音痴>(ミスタイプ訂正版)

                                 

安倍首相は、「昭和47年政府見解では、集団的自衛権必要最小限度を超えると考えられたが、大きく国際状況が変わっているなかで、国民の安全を守るために突き詰めて考える責任がある」と述べ、「国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任の放棄だ」と述べている

政府・政治家が国際状況の変化に対応することを考えなければならないことは当然である。だが、そのことと憲法の解釈論とは別問題であり、安倍首相の発言には論理のすり替え・飛躍がある。

「大きく国際状況が変わっている」というが、その具体的な例を挙げて、それに対処するには昭和47年当時の解釈論では対応できないということであれば、その検証過程・結果を明らかにすべきである。たんなる抽象的観念論で重要な憲法解釈の変更をされては困る。

憲法の解釈は純粋に法律的に行うべきものである。憲法の条文および法理から許される自衛権国際情勢に照らし不十分であると政府が判断するなら、必要な法律的手続きに従って憲法を改正するのが筋である。そんな基本的なことが分からない総理大臣の下では国民が不幸になる。

    

国際情勢に疎い憲法学者もいるかもしれないが、大部分の学者は国際情勢を考慮するが故に憲法解釈を大事にしているのだ。       

安倍総理はポツダム宣言を「つまびらかに読んでいない」と国会で答弁しているが、そんなことでは、安倍総理自身が「国際情勢に眼をつぶっている」と言われても仕方がないのではないか?

安倍総理の公式ホームページを開けると、冒頭に現れる写真の中で、安倍さんは農婦人(?)に丁寧にお辞儀をしている。そして、「・・・未来を切り拓くために語り合おうではありませんか」と説明文で言っている。

安倍さんは「『今の憲法解釈のままで国民の命と暮らしを守り抜くことができるかどうか、という問題に向き合わないのは、内閣総理大臣として不誠実だ。』 私はそう考えます。」とも言っている。

安倍さんの言葉は立派である。しかし、肝心なことは「問題に対する向き合い方」である。

安倍さんは美辞麗句を並べるのが非常に巧みだが、その言葉が軽く、空疎な感じがする。安全保障関連法案の安倍さんや取巻きの最近の国会における審理の進め方や答弁の仕方を見ていると、「美辞麗句の裏に何かあるのではないか?」などと、不信感を抱かざるを得なくなってきている。         

      

高村正彦自民党副総裁など与党議員が、「憲法学者の言う通りにしていたら今の自衛隊はなく、日本の平和と安全は絶対守れない」「学者は(憲法条文の)字面に拘泥している」などと暴論を吐いている。

そういう政治家は、論理的思考能力に欠けるか、国民をバカにしているか、分かっていながらごまかす狡賢さに長けているか、詮索する暇はないが、いずれにせよ、「憲法解釈の変更に反対する世論を抑えるための『字面』」や『はぐらかすための字面』」にしているように見える。

「現在の国民はバカではないですよ!」と叫びたいが、そう言いきれない現状である。非論理的に導かれた結論であっても、その結論だけが「政治家弁護士」に正論らしく情緒的に喧伝されるとそれに乗せられる人が多い。

インターネットを見ると、様々なデマやヘイトスピーチがある。      

全く情けないことである。我田引水だが、「亀鳴くや皆愚かなる村のもの」と俳句を詠んだ高浜虚子心境が分かる気がする。

各人が、一歩踏み込んでしっかり考えるようにしてほしいものである。

            

外交交渉の場では当然のことであるが、儀礼的対談の場合であっても、政治家はもっと外交交渉の言葉の字面に拘泥すべきだ。

    

(青色の文字やアンダーラインをクリックすると、詳細・関連記事がご覧になれます。)

    

たまたま、週プレNEWS「過熱する沖縄県知事選直前! 元総理大臣・鳩山友紀夫の弁明」という記事を見ると、記者の質問に答えた鳩山発言の中に気になる箇所があった。その一部を次に抜粋する。

「そのことは当時の米国国務省のアーミテージさんと議論したことがあります。当然、かなりの論争になりましたが、最後には「わかった。鳩山が言っていることはよく理解できた、しかし、その言葉を『常駐なき駐留』ではなく『条件付き駐留』ではだめなのか?」とおっしゃっていました。つまり、「常駐なき駐留」はアメリカが受け入れられないものではなかったと私は理解をしています。」

   

常駐なき駐留』と『条件付き駐留』には明らかに違いがある。人の良い鳩山さんは、「条件」の中身が不明なのに拘泥せず、「何とかなる」という大きな判断ミスをしたのではないか? 言葉に拘泥しなかったミスが民主党を自滅させる結果になったのではないか?

     

政治談議(1)にも書いたが、国民の理解を得ないで安全保障関連法案を強行採決すれば、安倍さんの主導する「積極的平和外交」の「平和」とは見せかけのものだとして国際的にも理解されず、米国にも歓迎されないことになるだろう。

安倍・オバマ会談でどんな突っ込んだ話がなされたか知らないが、「国民が納得しない安保法制関連法案を『夏までに』強引に成立せることはオバマさんは決して望んでいないだろう。

    

自民党の谷垣幹事長には、野党との政治的駆け引きでなく、ご自身の良心に掛けて野党の意見にも耳を傾け、文字通り誠心誠意、国民のためになる国会審議が実現されるように腐心して頂きたい。

                   

ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者エズラ・ヴォーゲルの「外交では事実認識が大事という記事が日経ビジネスにある。

安倍首相の「戦後70年談話」における「歴史認識」についての発言は、「国際情勢に目をつぶらず」、国民の平和の願いが通ずるように多様な意見を踏まえた上で、メンツに拘らず、「字面に拘泥して」十分吟味し、真に国民のためになる談話にしてほしい。これまでの安倍発言などを聞いていると、安倍さんの思いとは裏腹に「国民を不幸にすることになりはしないか」と老爺心ながら懸念している。

上記の鳩山さんの判断ミスの例に限らず、麻生さんの失言など、参考にすべき「他山の石」は数多ある。名実ともに「名談話」として歴史に残る「戦後70年談話」にしてほしい。

決して「迷談話」にしてはならない!

                 

マスコミの記事はニュースとして断片的に報道されるので、問題点を全体的・論理的に捉え難い。そこで、自分の頭の整理・備忘録と読者の資料収集・思考のお役にも立ち、私見を述べることが出来れば「一石三鳥」であると思って書いている。

ひょっとして、このブログや「俳句談義」と「政治談議」が安倍総理大臣の取巻きの目にとまり、総理大臣に伝わることがあれば望外の喜びである。

              

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