政治談義(10): 「安保関連法案」の全文を通読出来る形式に直ちに編集し、まともな「法案」にせよ!
参議院に於ける安保法制関連法案の審議は踏み込んだ実のあるものにしてほしい。
「お題目」の繰り返しや「戸締り」「火事」などの幼稚な分かりきった例え話をするのは貴重な審議時間の浪費である。
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安倍総理は「議論が憲法論・法律論になりすぎている。政策論をやるべきだ」という趣旨のことを言っている。だが、法案の違憲性が問題になっているのだ。「政策のためには憲法を無視しても良い」ということにはならない。
安倍総理はこんな単純なこともわからないのだろうか?
本末転倒の論理を展開して、国民が納得するはずがない。
国民の理解を深めるためには、安保法制関連法案の全条文を旧法と対比することなく通読出来る形に直ちに編集して国民に提示することが先決である。その上で、条文と政策を関連付けて国民に説明すべきである。
それこそが文字通り「国民の理解を深める」「丁寧な説明」である。
「そんなことをすれば手の中を敵に知られる」と安倍総理は云うだろう。だが、頭を使えば手の中を知られずに政策を説明することは可能である。
ただし、「抑止力」として機能する筈のことが「誘発力」になることがあるから、字面に気を付けなければならないことは言うまでもない。
国立競技場のデザイン・建設計画を白紙に戻し、再検討することにしたように、安保法制関連法案も与党・野党が真摯な議論をし、国民が納得する法案に修正する努力をすることが何よりも大切である。
上記のような提案を無視して、安倍総理以下与党議員が「お題目」の繰り返しや、わかりきった幼稚な例え話しかしないとすれば、何故か?
安倍総理は戦後レジームの脱却を唱導しながら、「ポツダム宣言」をつぶさに読んでいなかつたように、「砂川事件の最高裁判決」も「安保関連法案」も読んでいないということか?
安倍総理はフジテレビのニュース番組の出演で、「砂川事件の最高裁判決」を得々として引用し、「我が国が主権国として持つ固有の自衛権は何ら否定されたものでなく」と言っている。安倍総理は「固有の自衛権」と「集団的自衛権」の区別がつかないのか、国民をたぶらかしているのか、いずれにせよ、砂川判決を根拠に安保法制の合憲性を主張することは「まやかし」になる。
国民は「皆村の愚か者」と思っているのか?
「戦争抑止力」「戦争法案」「非国民」「売国奴」など短絡的な不毛の「レッテル貼り」がインターネットで飛び交っている。
参議院の審議ではそのような「レッテル貼り」の応酬をしてほしくない。
与党の議員は、安保関連法案が現行法よりも抑止力が高まるという理由を具体的事例について法律条文を参照しながら野党議員に解説してほしい。そうすれば、実のある政策論が出来るのだ。
政治談議(3)で述べたが、参議院では「良識の府」として、与党も野党も不当な党議拘束を掛けるべきではない。
国民が政治や政治家に対する信頼感を失うと日本の将来はどうなるのだろうか? 国民を不幸にする独裁者が国政を牛耳ることになるのではないか。
安倍総理は既にその走りになっているのか、歴史に残る愛国的名首相か、それとも単なる愚かな「裸の王様」か?
皆でよく見極めて次の選挙をしよう!
8月15日の終戦記念日の俳句を特集しましたので
俳句ブログ:終戦記念日 <「戦争と平和」特集>
http://knt73.blog.enjoy.jp/blog/2021/08/post-452c.html
をご一読下さい。
(薫風士)
投稿: | 2021年8月27日 (金) 00時16分