« 俳句仲間(アカネの酔客)のエッセー(3) | メイン | 国際俳句協会総会に参加 ~「日本人らしさの発見」の著者の講演拝聴~ »

2014年11月 9日 (日)

俳句仲間(アカネの酔客)のエッセー(2)

   

  (インターネット・リンク追加版)  

   

毎月、俳句会の後で酒を飲みながら俳句談義や趣味の話などに興じている。今月はブログの自慢話(?)をしたところ、話が弾み同席の方の随筆を掲載させて頂くことになった。それぞれの味があって面白い。

今回は多趣味・世話好き・フェミニストであるN氏が大学同期会のホームページに寄稿した味のあるエッセー「近況報告VI」を掲載させて頂く。

文末に、「最近の作品を3枚添付して今回の近況報告といたします。」とあるが、添付されていなかったので問い合わせたところ、「裸像の写真を保存したUSBが保管してあったと思いましたが、整理が悪く見つかりません。」とのことで、残念ながら見つかるまでお預けとなったので、日野市の「小島善太郎記念館」の作品集のサイトにリンクしました。

    

(注:ブログの見方)

青色の文字列をクリックするとその言葉の解説記事のサイトがご覧になれます。

    

    

    

    

      

    

      近況報告Ⅵ 

    

                       

○加齢のこと

 加齢に伴ない心身ともに動きが鈍ってきている。忘れ物が多くなったことは前回に紹介したとおりであるが、それにもめげず今まで手を出した趣味は何とかそのまま続けている。しかし最近さびしいことの一つにこれらの仲間のなかから、昭和一桁前半生まれの方々の何人かが、認知症がかったり、鬱になったりして顔を出さなくなり脱落して行くことである。 いよいよ僕らもその手前まで来たのかと内心のどこかで覚悟したりしている。 でも一方では大正生れの方々が矍鑠として活躍して居られるので、その人たちの存在に励まされ、元気を貰っている。

 俳句の会では大正6年巳年生まれの92歳を筆頭に大正生れが7,8人居られる。英会話のグループにも一人、中国語にも三人、太極拳にも91歳を筆頭に三人の大正生まれがいらっしゃる。関西東大会の常連の旅行メンバーにも大正生まれの夫婦一組がご健在でいらっしゃる。 彼らを目標にして、若さを維持して行こうと思う。

 話は変わるが、奄美大島に旅したとき、百二十歳を生きた泉重千代さんの住家銅像に立ち寄った。そのときの女のガイドさんによれば、重千代さんは晩年も女の人が好きで、訪ねる観光客の女の人1人ひとりに握手して言葉を交わしたそうな。それで彼女は「異性と接するのが長寿の秘訣ですよ」と我々にのたまったのである。 幸い、小生の属している趣味の会には女性(婆さんではあるが)が多い。泉重千代風に楽しんで行きたいと思う。

 

○最近見た映画

映画は殆んど見ない。 年に一二度くらいかと思う。 昨年たまたま「絵」の仲間の女の人が勧めてくれた映画が「Sex and the City」であった。必見の話題作ということで彼女は夫と見に行って衝撃を受けたという。 小生も家内と一緒に出かけた。

 ニューヨークの4人のキャリアウーマンの多様な女性の生き方が、様々な異なる結婚観に基づいて展開される。そして性交シーンが当たり前のように頻出するのには驚いた。しかし、いやらしい淫らな感じが不思議にない。極端に言えば食事のような生活の一部として扱われているからであろうか。性欲はあって当然という自然の扱いだからであろうか。確かに衝撃は受けた。 しかし彼女たちに同情し、彼女たちの生き方を肯定している小生であった。家内もだいたい同意見であった。

 後日、勧めてくれた彼女に感想をきかれた。照れくささもあったので「最初ふざけた映画だと思ったが、見ているうちに彼女たちに共鳴して応援したくなったよ。むしろ真面目な応援歌かな」と答えておいた。

 さらに、別の後日談がある。 家内の友達が子供の出来ない娘と見に行ったそうである。 彼ら母娘はどんな話をしたのだろうか。 とにかく女性に衝撃的話題を提供した映画ではあった。 

 

 ○「ねじまき鳥クロニクル

作者村上春樹は地元神戸高校の出身である。 最近ノーベル賞候補に上げられていることもあって、熱烈なファンによる研究会がよく開かれているようである。2,3年前そのうちのひとつの研究会に出る機会があった。 作者不在で行う研究会も異色ではあるが、中国、韓国、米国の研究家が熱心に壇上から作者と作品を語り、その国際性に大いに驚いた。

しかし空想が交じり合う彼の小説にはついて行けず、2,3の小説をかじっただけでずっと敬遠していた。 ところが最近とあることで、家内が標題の作品を読んで感動してしまい、とうとう小生もひきずりこまれて読むことになった。10年以上前の作品だから読まれた方もあろうかと思うが、小生はとにかく圧倒されてしまった。 

  戦争の悲惨性が脈流にある。ノモンハン事件の前哨戦、シベリア抑留新京動物園猛獣虐殺、満洲兵虐殺等々。筋は空想じみた展開とスリラーまがいのどんでん返しと深層心理の綾なす現実離れの脚色に目を奪われるが、しかし底流に戦争の悲惨性が重くよどんでいる。蒙古兵が人皮を剥ぐ場面は息の止まる思いだった。

  人生(世界)は単純でない。戦争という非人道的現実があり、いろいろな中身がよじれあいいっぱい詰まっている。

  作者はカフカ賞もとったりしていて海外での評価がよいので、近いうちにノーベル賞を取るかもと、思ったりもする。

 

○裸婦素描

近況報告が短文になってしまったので、裸婦素描を添付して締めくくることにする。

腕の方はさっぱりであるが、なにしろこの時間が最も楽しい。月1回のチャンスだが、これが待ちどおしいのである。美人の先生に会うのもモデルさんと言葉を交わすのも、胸がわくわくするが、それにも増して女性に囲まれた男一人の3時間の雰囲気がたまらなく嬉しいのである。最近の作品を3枚添付して今回の近況報告といたします。

                                                                                            以上

 

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.enjoy.jp/t/trackback/655639/32339585

俳句仲間(アカネの酔客)のエッセー(2)を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿