神戸大学山口誓子記念館(俳句「学問の」の英訳)
神戸大学の山口誓子記念館を冬晴れの吟行日和に俳句仲間と訪ねました。
この記念館は西宮市苦楽園に山口誓子夫妻が住んでいた旧邸が阪神淡路大震災で倒壊した際に残った建具の一部を使い神戸大学のキャンパス(構内)に復元されたものです。
(冒頭の写真 展示品の一つ)
山口誓子の代表句の解説と英訳の一例です。タップ・拡大してご覧下さい。
・学問のさびしさに耐へ炭をつぐ
Bearing up under
the loneliness of study,
I add fresh charcoal.
上記「学問のさびしさ」の俳句の英訳は、俳句の定型5・7・5音を踏まえた5・7・5シラブルに成功している一例ですが、当時の日本の生活様式を知らない外国人には理解しにくい点が難点でしょう。
記念館の係りの方から得た原典資料情報やインターネットで調べると、古平隆横浜市立大学名誉教授と故Alfled H. Marksニューヨーク州立大学教授が山口誓子とも相談されて共訳されたようです。
この翻訳の「bear」は自動詞として使われていますが、「bear」を他動詞として、17音節に捉われず「brazier(火鉢)」を補うことにより外国人にも分かりやすく、端的に次のように翻訳することも出来ます。
Bearing
the loneliness of study,
I add charcoals to my brazier.
「俳聖の偉蹟を尋ね秋の伊賀(俳句と写真)」で述べましたが、伊賀上野の「芭蕉翁記念館」に展示された芭蕉の有名な俳句「五月雨を集めて早し最上川」の英訳(Jane Reichhold著)に誤訳がありました。
外国人が日本語の俳句を正確に理解することは容易でないと思います。
ここをクリック(タップ)して、「俳句・HAIKU 言語の壁を破るチャレンジ(4)<芭蕉の「閑かさや」>」をご覧下さい。
英語の俳句は、5・7・5シラブルに整えることは至難の業ですから、3行詩として簡潔に表現すればよいと思っています。
俳句の英訳に興味のある方は、国際俳句交流協会のHPに掲載して頂いた次の記事もご覧下さい。
「英語で分かる芭蕉の俳句」(掲載中)
「高浜虚子の俳句をバイリンガルで楽しもう!」(掲載済)
青色文字をタップするとリンク記事をご覧になれます。
コメントなど、投稿頂けると有難いです。 (薫風士)
コメント